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ICOに代わる方法であるSTOとIEOの特徴と法律について【解説】

仮想通貨・デジタル通貨に関する法律

ICOに代わる方法であるSTO・IEO

ICOについては、このブログでも、法律的な観点から解説してきました。

ICO・仮想通貨の法律的規制について、日本法人と海外法人で合法的に行う方法を弁護士が解説

日本の今後の法律的規制については、ICOに関する今後の法律的規制について【解説】「仮想通貨交換業等に関する研究会」第8回をご参照ください。

ICOについては、日本では、正面から行うことはできず、トークンの設計など、スキームを考える必要があります。また、アメリカや中国をはじめ、海外でも、ICO規制が強まっています。

中国やアメリカなど「海外のICO規制」の現状はどうなっているの【解説】

そんな中、ICOに代わる手法として、STOIEOというのが出てきています。今回は、STOやIEOの法律について、解説していきます。

STO(Security Token Offering)の法律

上記のように、日本をはじめ世界各国でICOの規制強化の動きがみられ、ICOはより法的な締め付けが厳しくなっています。

米国のSECも、ICOは、トークンに投機的な価値がついており、それが金融商品・有価証券に該当するというのが、問題視されていました

よって、ICOについては、日本をはじめ、各国は、既存の金融法上、問題があるのではないかとしているのです。

それなれば、このような「投機的な価値を持つ」トークンは、各国機関のルールに則り、「金融商品」として発行してしまおう、というのがSTO(Security Token Offering)です。

つまり、ICOというグレーな方法ではなく、正面から既存の金融法に則った形で、トークンを設計しましょうというのが特徴です。

STOのメリット

これによって、ICOの法律的にグレーな部分は取り除かれ、法律的に問題ない形で行うことができます。

ICOの法律的規制が、どうなるか分からず、全面的に規制が入る可能性もあります。そのような中、STOであれば、既存の法律で、合法的に行うことができ、将来の法律的リスクはなくなります

また、金融法のルールは、厳しいので、その法律をクリアできたとなれば、「ICO=怪しい」というイメージを覆すことができ、投資家にもクリーンさをアピールすることができます。

STOのデメリット

一方、デメリットは、「金融商品」として扱うので、既存の法律を遵守する必要がある点です。

ICOの魅力は、IPOや金融商品取引法などの既存の法律の規制なく、資金を調達できるところでした。その魅力がなくなってしまうと、事業者として、資金調達のメリットがなくなったしまうことが考えられます。

また、米国では、トークンが有価証券となってしまうと、style=”color: #ff0000;”>ある程度、経験を有した投資家のみしか買えなくなってしまいます。大多数の人から、多額の資金調達することが難しくなってしまいます。

STOの実施例

現在、STOの実施をしているプロジェクトが、いくつかあります。その一つが、FINOM(フィノム)です。

FINOM内で使用できるFINを保有するものは、事業者の収益の20%までを四半期ごとに配当として受け取ることができます。また、FIN保有者には、同じ事業者が発行しているNOMというユーティリティトークンを受け取ることができます。

また、AnyPayは、STO実施に必要な手続きなどをコンサルティングするサービスをリリースすると発表しました。

AnyPay グループが、収益配分型トークン発行システムを 2018年内にリリース予定。

STOに既存の金融法の規制を遵守する必要があるため、そのための手続きは膨大なものになります。そのような必要な手続きを、コンサルティングというサービスです。

IEO(Initial Exchange Offering)の法律

IEO(Initial Exchange Offering)とは、ICOにおけるトークンの販売、交換などを、他の仮想通貨取引所に委託して行うものです。

ICOは、トークンの販売、交換は、ICO事業者が投資家に対して、直接行うことになります。

しかし、IEOは、ICOにおけるトークンの販売、交換するという部分を、他の取引所に委託してしまうのです。つまり、IEOとは、ICOのプロセスに仮想通貨取引所が仲介役として関わっているものです。

IEOのメリット

ICOのトークン販売については、日本でいえば、原則として、仮想通貨交換業の登録が必要になります。

しかし、現状で、仮想通貨交換業の登録を取るのは、非常に難しいので、ICOを合法的に行うことが困難になってしまいます。そこで、既存の仮想通貨取引所に、その部分を委託してまえば、合法的にできてしまうということなのです。

これであれば、今後のICO規制にかかわらず、将来的な法律的リスクもなく、実施することができます。

IEOのデメリット

IEOのデメリットとしては、既存の仮想通貨交換業者、海外の取引業者に協力してもらう必要があるということです。

すぐに協力してもらえる取引所があればよいですが、見つからなければ、資金調達がスタートできないことになります。


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