今回は、メタバースの活用に関する研究会報告書について解説をします。
総務省から公表されたこの報告書は「Web3時代に向けたメタバースの利活用に関する研究会」がまとめたものです。
このような研究会は随時、税金を使って開催されており、専門家を集めて、法令化に向けて議論をして、これからどうしてきますよという方向性を作っています。そして将来の法律につなげていくために報告書を作っているわけです。
この報告書を読むことで、Web3に関して、将来の法令化に向けて、今後の規制されるそうなポイントや、こういうところにルールができるんだなということがわかります。
例えば「メタバースの定義」についても書かれています。利用目的に応じた臨場感、再現性がある。自己投射性・没入感がある。リアルタイムでインタラクティブである。誰でも仮想空間に参加できるといったことが書かれています。
もちろん、これらの全てが法令化になるかは別ですが、まずメタバースの定義をきちっと定めようとしてるんだな、メタバースに当たるか当たらないかみたいなところによって法律が適用されるかどうかが違うんだなということが、わかるかと思います。
結構、分厚い報告書なので、全部を解説すると大変なことになるため、気になったところをピックアップしていきます。
例えば「アバターの権利性」です。肖像権の「アバターの容貌も中の人の人格と結びつく」とか「肖像権の対象となり得るのか」どうかが議論されています。
Web3上の自分のアバターを勝手に使われたり、さらされたら肖像権の対象になる可能性も出てきたとかいうことが分かります。
著作権の対応について、どういう風にするのかも議論されており、Web3上の中の著作権について、誰が権利持つのかも言われています。
実際の街をWeb3上で再現する場合に、現実世界の人物とか自動車のナンバーなどプライバシー情報が取り込まれてしまっていたり、Web3上で映り込んでいるみたいな時もあり得るでしょう。
そのときにちゃんと事業者としては、こういう情報の処理が必要だよねということも言われています。これも、かなり踏み込んだ内容なのかなというふうに思っています。
かなり長い内容で「「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」 報告書及び意見募集の結果の公表|総務省」で見ることができますので、こういうところに関心があるんだな、権利やプライバシーのところなど、Web3上で政府がこういうことに関心を持っているんだな。
こういうところが法令化されるのかなというところは、Web3に関わる事業者には、参考になる内容ですので注意して見て頂けたらと思います。