レンディングプラットフォームとして、有名なのが「Compound」です。
この仕組みを示しながら、法規制についても解説していきます!
Compoundは、暗号資産の借入れを行うことのできるプラットフォームです。いわゆる特定の管理する事業者がいないDAO(自律分散型組織)で運営されています。暗号資産を流動性プールに提供(ロック)して、利息収入を得るという形で利用することもできます。
ユーザーは、Compoundにおいて、暗号資産の貸し手となることも、借り手となることもできます。
Compoundにおいて暗号資産の貸し手となろうとする利用者は、自らが保有する暗号資産をCompoundの流動性プールに提供することによって、「cToken」と呼ばれるトークンを取得することができます。
このcTokenとは、例えばイーサ(ETH)を流動性プールに提供した場合には、cEtherという名称になります。
Compoundにおいては、貸借期間の定めはなく、いつでもこのcTokenをCompoundに返却することができ、その返却を行った場合には預け入れた暗号資産とともに、利息収入を得ることができます。
これら一連の仕組みはすべてスマートコントラクトにより管理されます。
利用者が暗号資産の借り手となる場合には、当該利用者は、cTokenを担保としてCompoundに預け入れ、これにより暗号資産を借り入れることができます。
換言すれば、Compoundの利用にあたっては、あらかじめ暗号資産をロックしておき、cTokenを保有していることが必要となります。
Compoundにおける借り手は、いつでも借り入れた暗号資産及び利息分相当額を多く返済することにより、担保として提供したcTokenを回収することができます。
なお、cTokenを差し入れることによって取得した暗号資産をさらにCompoundに預け入れ、再度cTokenを取得することもできます。
この方法を繰り返すことにより、Compoundの利用者は、レバレッジを利かせた運用をすることができることとなります。
Compoundの利用者は、暗号資産を貸し付けて金利収入を得ることができ、あるいは、利息を支払うことによって、暗号資産の借入れを行うことができます。
Compoundにおいては、このような、貸し手として受け取ることができる金利を「SupplyAPY」と、借り手として支払う必要がある金利を「BorrowAPY」とそれぞれ位置付けています。
Compoundにおいては、ガバナンストークンとして、COMPトークンが発行されています。
その投票においては、投票は1回のみ、投票作成から実行まで最短で7日間、予期しない脆弱性が発生した場合に備えて一連のサービスを無効にする機能がある、といった特徴があります。
cTokenは、イーサリアムというパブリック型のブロックチェーン上で管理されるERC20トークン標準のトークンです。
cTokenは、他の暗号資産と交換ができるので、日本法上も暗号資産に該当する可能性があると考えられます。
またCOMPトークンも、同様に、ERC20トークン標準を用いており、海外の取引所に上場もされていることから、日本法上も暗号資産に該当する可能性が高いと考えられます。