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ドローンに関するこれまでの法律と将来的な法規制について【解説】

ロボット・AI・ドローンの法律

ドローンに対する現時点での法律整備の状況

ドローンをめぐる法規制については、2015年4月の首相官邸ドローン侵入事件を契機として、国交省が、航空法を改正して小型無人機の飛行ルールを策定し、2016年に、無人機規制法が成立しました。

また、総務省が電波法施行規則等を改正して新たな電波割り当てルールを策定するなど、政府も異例のスピードで取組みを進めてきました。

ドローン(ホビードローンを含む)を飛ばす際に注意するべき法律まとめ

ドローンの法律的規制の方向性

2015年11月13日には、政府の「小型無人機に関する関係府省庁連絡会議」は、「小型無人機の安全な飛行の確保と『空の産業革命』の実現に向けた環境整備について」を取りまとめました。

その中では、技術開発、実用化支援など多方面にわたって環境整備を官民が連携して進めていくための課題を整理するとともに「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」を立ち上げています。

官民協議会は、2016年4月28日に、「利活用と技術開発のロードマップと制度設計に関する論点整理(案)」を取りまとめ、官民が目指すべき方向としてのロードマップを示しました。

このロードマップでは、小型無人機の利用形態を、[目視内/外]、[有人/無人地帯]といった区分に応じて「飛行レベル1~4」として分類し、全国的な本格運用についての達成目標時期を示しています。

現在におけるドローンの主な運用形態は空撮や農薬散布等で、主に操縦者の目視内において遠隔操縦または自動飛行するというものです(レベル1、2)。

今後は、早ければ2018年頃に離島や山間部等の無人地帯での目視外飛行による荷物配送(レベル3)を可能にし、2020年代頃からは都市部等の有人地帯において多数の自律飛行するドローンが活躍する社会(レベル4)の実現を目指すことが記載されています。

もっとも、現在の主たる運用形態(レベル1、2)とは異なるレベル3、4の実現に向けては、風雨等の環境変化への耐性向上、他の飛行体・障害物等との衝突回避技術、離着陸時の安全確保、運航管理システム導入といった課題が存在するため、これらの技術開発と環境整備を進めていくことが必要とされています。

ドローンの安全性に関する法規制

ドローン同士の安全性については、2016年11月8日には「航空機と無人航空機相互間の安全確保と調和に向けた検討会」の第1回が開催され、2017年3月30日付の同検討会の第3回では、中間とりまとめ(案)が策定されました。

これには、以下のように「衝突回避ルール」があげられています。

  • 航空機と無人航空機間で飛行の進路が交差し、または接近する場合には、無人航空機側が回避すること
  • 無人航空機を飛行させる者が、無人航空機の飛行空域・周辺空域における航空機の飛行情報を事前に共有できるシステムを構築すること
  • 無人航空機を飛行させる者は、無人航空機の飛行中に、その飛行空域・周辺空域において航行中の航空機を確認した場合は、無人航空機を安全な場所に着陸させるなどの回避行動をとること

また、2018年3月23日には、「飛行情報共有機能のあり方について」として、ドローンの運航者が飛行情報を共有できる機能を構築できる体制を整えることの指針が示されています。