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空飛ぶ自動車「ドローンタクシー」日本で実用化するための法律はどうなっているの?

ロボット・AI・ドローンの法律

夢の空飛ぶ自動車の開発が進んでいる

ここのところ、空飛ぶ自動車の開発が進んでいます。

大手の米ウーバーテクノロジーズは25日、「空飛ぶタクシー」の開発計画を発表した。ブラジルの旅客機メーカー、エンブラエルなどと組んで小型の垂直離着陸機(VTOL)を開発。3年以内の試験飛行を目指すと発表しました。

イスラエルの企業なども、2020年までに空飛ぶ車の実用化に向けて、開発を進めています。

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また、ドバイでは、ドローンタクシーの実験が、7月から開始される予定とのこと。

このような空飛ぶ車ですが、日本の法律的には、どのようになっているのでしょうか。

空飛ぶ自動車は「航空機」に当たるか

日本の法律上は、この「空飛ぶ自動車」が航空法上の「航空機」にあたるのかが問題になります。

航空法の「航空機」とは、「人が乗って航空の用に供することができる」と定めています。「人が乗って」とは、国土交通省によると、機体に人が座って、着陸装置を装備したものとされています。

そうすると人が座って乗ることができ、着陸装置がある「空飛ぶ自動車」については、航空機として航空法の規制の適用がある可能性があります。

また、ドローンタクシーのように操縦者が登場しない自動車については、すでに航空法によって規定されてます。

すなわち、航空法では、操縦者が乗りこまないで、飛行することができる装置を有する航空機は、無操縦者航空機として国土交通省大臣の許可を得れば、飛行が認められています。

「航空機」「無人航空機」に当たった場合の規制

では「航空機」や「無人航空機」に当たった場合、どのような規制が及ぶのでしょうか。

航空法上の「航空機」に当たる場合には、安全性の検査や耐空証明など、数多くの非常に細かいルールを守る必要があります。

また、無人航空機には、航空できる時間や区域などに、厳格な制限があり、事前にどのルートを飛ぶかなどにも国土交通省への届出が必要です。

以上のことを考えると、現状の法律において、空飛ぶ自動車が実用化されのは、日本においては高いハードルがあると言わざるをえません。

今後の法改正に注目

現状の法律では、なかなか難しい「空飛ぶ自動車」ですが、これから法改正がされる可能性も十分にあります。

日本の場合は、判例法の国であるアメリカなどと違い、どうしても、最新技術に法律が追いつかないという事態が生じます。

技術が進んでいくに連れて、法律が改正される流れは、いつもの流れです。これからの技術革新について、法律改正がどうなっていくのか、注目です。