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ウェブサービスの「仮想通貨」「ポイント」が資金決済法の適用を受けるとどうなるの?

「仮想通貨」・「ポイント」が、「前払式支払手段」に当たるとどうなるか?

前回、どういう場合に、ウェブサービスにおける「ポイント」や「仮想通貨」が、資金決済法の「前払式支払手段」に当たる基準について、お話しました。

【資金決済法】ウェブサービス内に「ポイント制や仮想通貨」を導入するときに必要な法律

自社の「ポイント制」や「仮想通貨」が、「前払式支払手段」に当たる場合に、何をしないといけないのでしょうか?

資金決済法の前払式支払手段は、2種類!

「ポイント制」・「仮想通貨」といっても、2種類に分かれています!自社のものが、どちらに当たるのかを見極める必要があるのです!

自家型前払式支払手段

「自家型前払式手段」とは、発行者に対してのみ使用できる「ポイント制」・「仮想通貨」をいいます。

例えば、ウェブサービス会社が、自社の運営するサービス内でのみ、利用できる「ポイント」・「仮想通貨」を発行する場合がこれに当たります。

この場合には、発行している前払式支払手段の未使用残高(前払式支払手段の総発行額-総回収額)が3月末あるいは9月末において、1,000万円を超えたときは、内閣総理大臣への届出が必要となります。

第三者型前払式支払手段

もう一つが、第三者前払式手段。これは、発行者以外の第三者の店舗(加盟店、フランチャイズ店等)においても使用することができる前払式支払手段です。

この典型例が、PASMOやSuicaなど。このような、第三者前払式手段は、発行前に内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。

ポイント・仮想通貨を発行するときに、守るべきこととは?

では、ウェブサービス上で、「ポイント」や「仮想通貨」を発行するに当たっては、どのような義務が生じるのでしょうか?

1  表示義務

発行するポイントや仮想通貨に、発行者の名称などの一定の事項をウェブサイト内に表示しないといけません!

2 供託義務

ポイントや仮装通貨の未使用残高が1,000万円を超えるときには、未使用残高の2分の1以上の金額を営業所の最寄りの供託所に供託しなければなりません。

期限は、未使用残高が1000万円を超えた日から2ヶ月以内です。つまり、500万円以上のキャッシュが出ていくことになるのです!

3  行政庁に定期的に報告書の提出

「ポイント制」や 「仮想通貨」などの前払式支払手段を発行するには、定期的に報告書を提出しなければなりません!
つまり、行政の監督を受けることになるのです!

仮想通貨・ポイント制は面倒くさい…でも例外も…

このように考えると、「ポイント制」や 「仮想通貨」は意外と面倒な手続きも多い…

でも、ここで見てきた資金決済法の適用を受けない場合もあるのです!続きは次回に