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Facebookが仮想通貨(暗号資産)「Libra」を発表!新しいコインを日本で販売する場合の法律とは?

仮想通貨・デジタル通貨に関する法律

Facebookが、仮想通貨「Libra」を発表

先日、Facebookが、独自の仮想通貨「Libra」の構想を発表しました。この話題で、クリプト業界はもちきりになり、今後その動向が注目されます。

この「Libra」が日本で販売されるとなったとき、どのような法律的な注意点が必要なのでしょうか?

日本で新規の仮想通貨を販売するときの法律

そもそも、仮想通貨「Libra」が、日本法における「仮想通貨」に該当するのかという議論があります。

これについては「Libra」の今後の展開によっても異なってくると思うのですが、現時点では、「仮想通貨」に該当する可能性が高いと考えています。

そこで、仮想通貨に該当するという前提で、話を進めます。

日本で、新たな仮想通貨(暗号資産)を販売する場合には、金融庁の認可が必要

日本において、新しい仮想通貨(暗号資産)を販売する場合には、金融庁の認可が必要になってきます。

金融庁のガイドラインでは、「当該仮想通貨の取扱いが仮想通貨交換業に係る取引に形式的に該当するとしても、利用者保護ないし公益性の観点から、仮想通貨交換業者が 取り扱うことが必ずしも適切でないものもあり得る」として、日本で販売予定の仮想通貨については、金融庁で認可したものしか売れないということになっているのです。

日本で販売していい仮想通貨(暗号資産)は、仮想通貨交換業者登録一覧にある「取り扱う仮想通貨」に記載されてコインのみです。

これ以外の仮想通貨(暗号資産)を販売するには、新たに金融庁に認可をもらう必要があるのです。

新規の仮想通貨(暗号資産)について、金融庁で審査手順

では、新規の仮想通貨(暗号資産)についての審査とは、どのような審査が行われるのでしょうか。

まず、金融庁からは「仮想通貨の該当性・適切性についての説明」という書面の提出が求められます。この書面の中には、以下の項目を記載することになります。

  • 取り扱う仮想通貨
  • 仮想通貨該当性
  • 仮想通貨の適切性に係る見解

また、「仮想通貨の適切性に係る見解」には、以下のことを記載する必要があります。

  • 仮想通貨の仕組み
  • 想定される用途
  • 流通状況
  • プログラムのバグなどの内在するリスク

このような書類を提出し、金融庁からの追加質問に応える必要があるのです。

新しい仮想通貨(暗号資産)の審査基準

では、金融庁としては、どのような審査を行うのでしょうか?

判断基準については、2019年6月21日に改訂された金融庁ガイドラインに記載されています。

当該仮想通貨を取り扱うにあたっての社内態勢の確保の状況等を踏まえ、テロ資金供与やマネー・ローンダリング等に利用されるリスク、システムリスク等をはじめとする、当該仮想通貨の取扱いにより生じ得るリスクの内容について、申請者や仮想通貨交換業者から詳細な説明を求める

ガイドラインでは、以下のように、仮想通貨について、その取扱いの適否を慎重に判断しなければならないとされています。

  1. 法令又は公序良俗に違反する方法で利用されるおそれが高い仮想通貨
  2. 犯罪に利用されるおそれが高い仮想通貨
  3. テロ資金供与やマネー・ローンダリング等に利用されるおそれが高い

特に、マネーロンダリングの恐れがある場合には、金融庁も非常に厳しい態度を示しています。

金融庁は、仮想通貨交換業者にも、マネロンの恐れのある仮想通貨の取り扱いの禁止を要請しています。

日本で販売や交換できる仮想通貨について弁護士が解説【コインチェックが一部仮想通貨取り扱いを禁止】

新しい仮想通貨(暗号資産)は、認可されるの?

上記のように、金融庁から審査が行われるとして、新しい仮想通貨(暗号資産)について、認可はされるのでしょうか。現状、新規仮想通貨(暗号資産)認可のハードルは高いといえます。

しかし、ガイドラインでも、以下のようにされています。

新規に発行する仮想通貨の売り出しを行う場合に、発行段階で流動性に欠けるとしても、当該仮想通貨を取り扱うことが適切でないと直ちに判断するのではなく、申請者からの説明や外部情報を十分考慮し、総合的に判断するものとする。

新しい仮想通貨(暗号資産)を発行し、日本で販売したい事業者は、仮想通貨(暗号資産)の設計を、きちっと行う必要があるのです。