ドローンについては、様々なビジネスに応用されていて、その活用範囲が広がっています。それに伴い、法律問題も出てきています。
そこで、今回は、ドローンビジネスに関して、各ビジネスごとに、法律的な注意点を解説します。
現在、建設現場では、人手不足と人件費高騰に悩まれています。その中で、ドローンの活用が求められています。
国交省も、無人航空機(UAV)を用いた公共測量を発表し、このマニュアルにより、測量成果として3次元測量点群データが加えられることとなり、公共測量をドローンによる3次元測量で行うことが可能となりました。
また、株式会社小松製作所は、ドローンによる3次元測量の情報をクラウドで管理・解析し、クラウドと連動する同社の建機が半自動的に施工するというサービスを提供しています。
「建設現場」といっても、様々な場所があります。
例えば、東京23区内における建設現場をドローンにより測量する場合には、人口集中地区上空の飛行に該当します。
よって、国土交通大臣の許可が必要となります。
このように、ドローンを人工集中地区の上空を飛ばす場合には、国土交通大臣の許可が必要です。
他方、ダムの建設現場等の山岳地帯で測量を行う場合には、ドローンは目視から外れざるを得ないことがあります。
その場合には、目視外飛行を行うことについて国土交通大臣の承認が必要です。
さらに、ドローンの飛行が建物や人との距離が30m未満となるときには、国土交通大臣の承認を得ておく必要があります。
また、ドローンから物件を投下する場合には、国土交通大臣の承認が必要となります。
ソーラーパネルの点検を行うドローンと、清掃を行うロボットを組み合わせたサービスがいくつかの企業によって提供されています。
例えば、総合警備保障株式会社は、2014年10月1日からドローンによるメガソーラー施設の定期点検サービスを開始しています。
ALSOKが飛行ロボによる空撮を用いたメガソーラーのパネル点検を実演
また、ソフトバンク・テクノロジー株式会社、エナジー・ソリューションズ株式会社、サイバートラスト株式会社、M-SOLUTIONS株式会社は、ドローン&クラウド ソーラーモジュールIR検査システムのプロトタイプを開発しました。
ドローンを活用したソーラーモジュール検査システムのプロトタイプを開発
ドローンに熱を感知することができる赤外線センサーを搭載することでソーラーパネルの表面温度を測定し、異常に高い熱を帯びているパネルを発見することができます。
ソーラーパネルの点検のために、ドローンを飛ばす場合には、人工集中地区内の飛行する場合には、国土交通大臣の許可が必要となります。
さらに、ドローンの飛行が建物や人との距離が30m未満となるときには、国土交通大臣の承認を得ておく必要があります。
電気事業法上、出力50kW以上の太陽電池発電設備は、「自家用電気工作物」に当たります。
自家用電気工作物の設置者は、その工事、維持及び運用に関する保安を確保するために
保安規程を定め、当該保安規程を「保安規程届出書」により国に届け出る必要があります。
その上で設置者及びその従業者は保安規程を守らなければなりません。
この保安規程には「自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための巡視・点検及び検査に関すること」を具体的に定める必要があります。
よって、出力50kW以上の太陽光発電設備の点検をドローンにより行う場合には、その設置者は、保安規程において当該「巡視・点検及び検査」をドローンにより行うことを定めなければなりません。
警備システムについては、ドローンの活用が期待されている分野です。ドローンにより、今まで発見しにくかった場所を監視することができる可能性があります。
有名なのは、セコムがリリースした「セコムドローン」であり、防犯対策として、活用されています。
警備用ドローンについては、人口集中地区上空を飛行する場合には国土交通大臣の許可が必要となります。
また、警備用ドローンの場合には、ドローンを飛行させる本人が、ドローンを目視し続けていることは想定されていません。 その場合には、目視外飛行を行うことについて国土交通大臣の承認が必要です。
さらに、夜間の警備にドローンを活用する場合にも、国土交通大臣の承認が必要となります。「日の出から日没までの間」以外にドローンを飛行させる場合、国土交通大臣の承認が必要となるのです。
ドローンについては、ドローンを使って、農薬をまくなどの活用方法が考えられます。実際に、その活用も進められています。
農薬の散布など、ドローンから物件を投下する場合には、国土交通大臣の承認が必要です。
以上、ドローンビジネスの一部を例に、法律問題を見ていきましたが、ドローンビジネスについては、色々な法律や許認可が絡んできます。事前にしっかりと調査するようにしましょう。