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コンテンツマーケティングの法律的注意点をIT弁護士が解説【2023年12月加筆】

著作権に関する法律

コンテンツマーケティングをする際には、どこに注意するべきか

自社の集客のためには、コンテンツマーケティングが有効というのは、もうすでに知られた話で、今ではたくさんの企業が実践しています。

また、コンテンツマーケティングのためのコンテンツ制作会社も多数存在しています。

そんなコンテンツマーケティングですが、法律的にはどのような注意点があるのでしょうか?

コンテンツマーケティングと著作権の問題

コンテンツマーケティングは、コンテンツを作成する必要があります。

その際に、気を付けるべきことは、「著作権」の問題です。

例えば、自社のコンテンツに、他人のコンテンツを使う場合には、他人の著作権を侵害しないことが必要です。

特に他人のコンテンツを使う場合には、注意が必要です。他人のコンテンツを使う場合には、権利者の許可が必要になっています。

権利者の許可なく、他人のコンテンツを使うためには、著作権法上の「引用」の要件を満たす必要があります。

著作権法上の「引用」については、法律上、明確な基準はないのですが、判例上、以下のような要件を満たす必要があります。

  1. 明瞭区分性
  2. 主従関係
  3. 引用する正当な理由

引用の詳しい解説は、IT専門弁護士が解説!「NAVERまとめ」が運営方針を変更して著作権法的にどうなったのか?にしていますが、著作権法の「引用」には、細かいルールがあります。自社の勝手な判断で、他人のコンテンツを引用してしまうと、著作権侵害と言われてしまう可能性があります。

他人の著作権を侵害してしまうと、著作権者から、以下のような対処をされる可能性があります。

  1. 侵害行為の差止請求
  2. 損害賠償の請求

また、DeNAのWeIq問題以降、社会的にもコンテンツの盗用には、非常に敏感になっています。

IT弁護士が解説!DeNA医療情報サイト「ウェルク(Welq)」は法律的には、どこがいけなかったのか?

他人のコンテンツを盗用してしまうと、法律的にも問題ですが、社会的にも批判を浴び、企業の信用問題になります。コンテンツを作る際には、注意するようにしましょう。

肖像権・パブリシティ権にも注意が必要

また、コンテンツを作成する場合には、肖像権にも注意が必要です。

肖像権とは、人の顔や姿を不必要に公開されない権利のことです。一般人といえども、承諾なく、インターネット上に、自身の顔や姿を掲載されたら、肖像権侵害で訴えることができます。

コンテンツの作成側としては、人の顔や姿を掲載する場合には、注意が必要です。

また、有名人や芸能人の写真やイラストを掲載する場合には、特に注意が必要です。というのも、有名人や芸能人には、肖像権のほかに、パブリシティ権というものがあります。

これは、有名人や芸能人には、顧客誘引力(お客さんを呼び寄せる力)があるので、それを他人が勝手に使用することはNGですよというものです。

実際、最高裁判例(最高裁平成24年2月2日判決)でも、このパブリシティ権は認められ、パブリシティ権侵害で、損害賠償も認められています。

また、肖像権やパブリシティ権侵害をしてしまうと、社会的にも大きな話題になり、社会的な信用を失ってしまう可能性もあるので、注意が必要です。

ジャポニカ「五郎丸自由帳」発売!有名人を使って商品化するときにどんな権利が問題になる?

個人情報には気を付けよう

コンテンツを作成するには、個人情報の扱いにも注意が必要です。

コンテンツに個人を特定するような情報を記載する場合には、個人情報保護法の規定を守る必要があります。

特に、個人情報については、2017年5月30日から改正法が施行されて、規制が厳しくなっているところです。

事業者は、5月30日から全面施行!改正個人情報保護法に企業はどう対応すればよいのか【解説記事まとめ】を参考にするようにしてください。