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弊社(グローウィル国際法律事務所)には、Fintech事業者からの相談が非常に多くきています。
その中で、自社発行のコイン・トークンを、日本で販売したいという相談が、数多くきます。また、自社発行のコイン・トークンを、日本の仮想通貨取引所に上場させたいという相談も多いです。
そこで、日本で、自社発行の仮想通貨(トークン)を、日本で販売したいという場合では、法律的にどのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。
まず、日本において、仮想通貨の販売をする場合には、仮想通貨通貨交換業の登録が必要になります。仮想通貨通貨交換業に該当する事業は、以下の通りです。
仮想通貨交換業の登録申請は、以下の記事で記載しておりますので、参考にしてください。
仮想通貨交換業登録申請の最新状況について仮想通貨(Fintech)に詳しい弁護士が解説
上記の通り、日本において仮想通貨を販売する場合には、仮想通貨交換業の登録が必要になります。
そこで、まず、発売予定のコインが、法律上の仮想通貨に該当するかを検討する必要があります。
法律上の仮想通貨には、法律上、2つの種類があります。どちらかの要件を満たせば、法律上の仮想通貨になります。
上記をまとめると、仮想通貨該当性のポイントとしては、以下の3つになります。
「不特定の者」というのがポイントになります。この「不特定の者」というのは、金融庁ガイドラインでは以下のような要素を考慮するとされています。
つまり、特定の発行者がいて、その発行者が認めた範囲内で使用できる場合には「仮想通貨」には該当しないのです。
よって、事業者としては、自社発行のコイン・トークンが、法律上の「仮想通貨」に該当するかを検討するようにしましょう。
上記のように自社発行コインが、仮想通貨に該当する場合に、すでに仮想通貨交換業登録を受けている取引所で、上場してもらいたいと思うかもしれません。
仮想通貨の販売について、すでに仮想通貨交換業登録を受けているところは、日本において、仮想通貨を販売できます。そうはいっても、どんな仮想通貨でも販売できるわけではありません。
金融庁のガイドラインでは、「当該仮想通貨の取扱いが仮想通貨交換業に係る取引に形式的に該当するとしても、利用者保護ないし公益性の観点から、仮想通貨交換業者が 取り扱うことが必ずしも適切でないものもあり得る」として、日本で販売予定の仮想通貨については、金融庁で認可したものしか売れないということになっています。
現在のところ、日本で販売していい仮想通貨は、仮想通貨交換業者登録一覧「取り扱う仮想通貨」に記載されているもののみです。列挙してみると、以下の通りです。
BTC(ビットコイン)、ETH(イーサリウム)、BCH(ビットコインキャッシュ)、ETC(イーサリウムクラシック)、LTC(ライトコイン)、XRP(リップル)、MONA(モナコイン)、FSCC(フィスココイン)、NCXC(ネクスコイン)、CICC(カイカコイン)、XCP(カウンターパーティー)、ZAIF(ザイフ)、BCY(ビットクリスタル)、SJCX(ストレージコインエックス)、PEPECASH(ぺぺキャッシュ)、ZEN(ゼン)、XEM(ゼム(ネム))、QASH(キャッシュ)
これ以外の仮想通貨を販売するには、新たに金融庁にOKをもらわないといけません。
では、仮想通貨交換業者が、新たな仮想通貨を金融庁に認可してもらう場合、どのような審査が行われるのでしょうか?
仮想通貨交換業者は、「仮想通貨の該当性・適切性についての説明」という書面を提出させられます。この書面の中には、以下の項目を記載することになります。
また、仮想通貨の適切性に係る見解」には、以下のことを記載する必要があります。
このような書類を提出し、金融庁からの追加質問に応える必要があるのです。
時価総額が上位の仮想通貨は、問題ないでしょうが、新たなコインとなると、金融庁も慎重にならざるを得ません。
金融庁の認可を受けたい場合には、きちんとした資料と説明を金融庁に対してする必要があります。
以上のように、新たなコイン・トークンを日本で販売するには、金融庁の認可というハードルがあります。
事業者としては、いきなり日本で上場するのが難しいと感じた場合には、一旦、海外取引所で上場させ、実績を積んで日本で販売するということも考えられます。
いずれにしても、新たな仮想通貨を日本で販売するには、きちんとした手順を踏むようにしましょう。