AIやロボットに関しては、日本だけでなく、米国・EUをはじめ、多くの議論がされています。
米国、EUともに、AIやロボットに関して、民間・行政・政府レベルのさま ざまな取組みが展開されてきており、閣僚級ハイレペル協議も増えてきました。
まず、AIに関し、2016年10月に発表されたホワイトハウスによる報告書(「人工知能の未来に備え」)において、研究開発、公正性・安全性などの各項 目につき連邦政府への提言といった形式で議論が展開されました。
また、同年には、国家科学技術会議のネットワーキング・情報技術研究開発小委員会による「米国人工知能研究開発戦略」において、連邦政府の予算によるAI研究の優先課題につき議論がなされました。
さらに、米国電気電子学会による「倫理的に調整された設計(EthicallyAlignedDesign,Version1)(2016年12yy)」、「Ver- (5)sion2」(2018年1月)といった各報告書において、技術者の視点から、倫理的原則の下で人間と調和するAIの設計方法につき議論されたことも、注目されています。
一方ロボットに関しては、WeRobotConferenceの活動が注目されています。
ロボットの利用拡大(警察・軍事、医療・介護分野等)が見込まれるなか、2012年から、ロボットの社会・経済的な影響につき幅広い分野からの 参加を募って議論する「WeRobot」カンファレンスが毎年開催されています。
2018年4月にStanfordLawSchoolで開催された会議では、AIとプライバシー、納税、表現といったさまざまな角度から議論がなされました。
以上の動きに加えて、特に医療分野ではAIの導入・展開が進んでおり、例えば、糖尿病網膜症を診断する医療機器について、すでに米国食品医薬品局(FDA)において認可された事例も見られています。
医者に代わり診断を下すAI医療機器「IDx-DR」が米国で初めて認可…糖尿病網膜症を1分で判定
米国での医療・介護ロボットとの関係を含 めて、これらの分野における日本の今後の議論の参考となると思います。