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解雇と何が違う?企業が知っておくべき退職勧奨の注意点とやり方【2023年6月加筆】

労働の法律

企業が知っておくべき退職勧奨とは

経営者としては、少なからず「この従業員と一緒にやっていくのは難しい」「従業員としても自社には合わないのではないか」と思うことはあるでしょう。そういった場合には、やはり退職してもらうのが、お互いの将来のためにもなるでしょう。

そういった際によく行われるのが、退職勧奨(退職勧告)です。退職勧奨は、正しく行えば決して違法なものではありません

ただし、脅迫や強要など社会的に不相当なやり方で行われたと言える場合には、その退職勧奨は違法な行為となります。

ひとたび誤った対応をしてしまうと「退職強要だ!」「解雇だ!」と話が大きくこじれることになりかねないため、退職勧奨を行う際には、いくつか気を付けなければならないことがあります。

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解雇と退職勧奨の違い

「解雇」と「退職勧奨」は何が違うのでしょうか?

決定的な違いは、従業員本人の同意があるか否かです。「解雇」にはもちろん同意などいりません。解雇に相当する事由があれば、会社側が一方的に従業員を辞めさせることができる手段です。

一方「退職勧奨」では、あくまで会社側は従業員に対し退職を「お願い」「お勧め」をし、従業員本人がそれに同意することが必要になります。

退職勧奨の3つの注意点

実際に退職勧奨をする際には、違法な退職勧奨とならないため、特に気を付けなければいけないことが3つあります。

「同意しなければ解雇」は、要注意

退職勧奨は、あくまで退職のお勧めなので、同意をしない従業員もいるでしょう。

だからといって、「同意しなければ解雇する」として退職勧奨をし、従業員からの同意を得た場合には、実際に解雇に相当する事由がなければ、違法な退職勧奨として、その退職の合意は無効と判断される可能性があります。

解雇に相当する事由がある分には、問題はありませんが、誤認を招く伝え方にならないよう、「同意しなければ解雇」とする理由を、よく説明することが望ましいでしょう。

退職を目的とする配置転換や業務変更はNG

退職勧奨に応じさせるため、不当に「窓際部署」や「追い出し部屋」などに配置転換・業務変更をし、退職に追い込む様な対応をした場合、①同様、合意による退職でも、違法な退職勧奨があったとして、その退職の合意は無効と判断される可能性があります。

もちろん、退職勧奨をした、もしくはする予定の従業員の配置転換や業務変更が業務運営上やむを得ない場合もあると思います。その際は、退職に追い込むためのものでない旨の説明を十分に行い、理解をしてもらうようにしましょう。

長時間多数回にわたる退職勧奨

執拗な退職勧奨の末、退職となった場合、勧奨として許される範囲を超えた退職の「強要」と判断され、違法な退職勧奨と判断される可能性があります。

判例では、4か月間に30回以上、長いもので8時間に及ぶ退職勧奨については、大声や机を叩くなどその他の要因もありますが、違法な退職勧奨であるとしいています。

反対に、週1回30分程度の面談を7回行ったものでは、適法な退職勧奨の範囲内であり違法なものではないとしています。

何回以上、どのくらいの期間なら問題ない、といった明確な基準ははありませんが、常識的な範囲で行う必要があります。

高額な賠償を命じられることも

従業員に行った退職勧奨が、違法なものだったと判断された場合、数百万円の慰謝料の支払いや、退職を無効とし復職を希望した場合には、復帰までの期間の未払い賃金などを含め、1000万円近くの支払いを命じられているケースもあります。

退職勧奨は、どう進めたらいいのか

退職を勧められる従業員にとっては、解雇でないとはいえ、やはりショックだと思います。

そのため、なぜ対象があなただったのか、会社としてなぜ退職してほしいのか、退職勧奨に至るまでの経緯などをしっかり説明したうえで、理解・納得してもらうことが重要となります。

理解・納得させるためには、いきなり退職勧奨とするのではなく、退職勧奨をするに至るまでに何回かの口頭・書面による注意、指導などがあり、会社としてはチャンスを与えたにも拘わらず改善がされなかったなどの経緯があるとより納得させやすくなりますので、そういったステップを踏むことも含め、検討する必要があるでしょう。

時には、批判的な内容のみならず、あたな(従業員)にとってもミスマッチなのではないかといった、従業員の立場にも立った話ができると、より良いかもしれません。

会社側としては、上記の内容や退職勧奨をするに至るまでの経緯想定問答などをあらかじめまとめておき、面談に臨むようにしましょう。理路整然と説明ができることで、会社側もしっかり考えて対応しているといったアピールにもつながります。

合意に至った場合には、退職に関する手続きなどを含め、最後までしっかりサポートしてあげましょう。

退職勧奨による退職は、会社都合退職とすることによって、雇用保険が自己都合退職より早く受給が始められ、より長い期間受給できることがあります。

こういった情報の提供なども、引継ぎなど最後までしっかり働いてもらうためには必要なサポートといえます。

また、退職届を必ず提出させるようにしましょう。解雇でないことの証明にもなります。

まとめ

退職はトラブルが発生しやすいため、記載した注意事項をよく理解した上で行う必要があります。

一時の感情に任せず、冷静に対応するよう心がけましょう。