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【雇用契約】 業務拡大や増員など人材の採用で会社が気を付けるべきこととは!?

IT企業のための法律

雇用する際には言った言わないに要注意!

労使トラブルの原因の多くは、雇用契約時における労使間の食い違いです。

残業代が出ないなんて聞いてない!
転勤もあると言ったはず!

いわゆる「言った、言わないの問題」です。

では、こうならないためには、また、もしなっても対処できるようにするには、会社はどうしたらよいのでしょうか?

採用したい人に内定を出したら

会社として採用する者が決定した場合、詳細な労働条件を通知することになります。

その労働条件を通知する際は、必ず労働条件通知書雇用契約書を交付しましょう。

「当たり前」と思うかもしれませんが、特に中小・ベンチャー企業の一人目・二人目の採用だと、友人だったり、前勤務先の後輩だったりなど、既に信頼できる人を即採用!といった形で、就業規則も整備されていないまま、条件は口頭でのみ、なんてことも少なくありません。

就業規則を作るにはどうしても時間がかかってしまうので、まずは労働条件通知書や雇用契約書を必ず作成してください。

また、交付する際には、採用する方の署名捺印をしてもらうことが有効です。

雇用契約書の書き方・作り方

労働条件通知書や雇用契約書には、絶対に書かなければいけないことがあります。

絶対的明示事項」と言われ、次の6つになります。

  1. 雇用期間
  2. 期間の定めがある契約(有期契約)を更新する場合の基準
  3. 就業の場所及び業務の内容
  4. 始業・終業時刻及び休憩時間、休日または勤務日、休暇、所定外労働等(休日勤務など)
  5. 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払時期並びに昇給に関する事項(退職手当等を除く。)
  6. 退職に関する事(解雇の事由を含む)

これらは必ず書面で明示しなければいけません。(口頭では足りません。)

また、これだけ書いておけばOKかというと、まだ、あります。それが「相対的明示事項」と言われ、次の8つです。

  1. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、計算方法、支払時期等
  2. 臨時に支払われる賃金に関する事項(賞与等)
  3. 労働者に負担させるべき食費、作業用品等に関する事項
  4. 安全及び衛生に関する事項
  5. 職業訓練に関する事項
  6. 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
  7. 表彰及び制裁に関する事項
  8. 休職に関する事項

これらについては、会社に定めがある場合に限り、明示する必要があります。

例えば、会社で賞与を支給していれば、2番について。

退職金と賞与の両方を支給していれば、1番と2番両方について記載するといった形になります。

労働条件通知書と雇用契約書の違いはあるのか

労働条件通知書、雇用契約書は会社が一方的に通知したものか、形式上双方で合意したものか、という違いくらいで、大きな差はありません。

採用者の署名捺印を貰えば、どちらの形式でも採用者が同意したと主張できます。

就業規則との連携

労働条件通知書や雇用契約書を作成する場合、これらはあくまで一個人の条件通知になるので、就業規則を作成している会社で、社員全員が同じ条件の項目であれば「当社就業規則による」や「詳細は就業規則第○条」などといった形で連動することも可能です。

ただし、就業規則が作成されており、なおかつ就業規則を雇用する社員に交付する場合に限ります。

個別の条件通知と就業規則がチグハグだと、労使トラブルの原因となりますので注意が必要です。

通知をしなかったらどうなるのか

労働条件の明示規定には罰則があり、30万円以下の罰金が定められています。

ただ、罰則よりも、労使トラブルになる方が大きな痛手になることでしょう。「言った言わない」から、訴訟に発展してしまうケースも少なくありません。

訴訟等に発展しない、もしくは発展しても会社を守るためには、雇用する段階において、しっかり事前対策、事前準備が重要になるのです。


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