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AIやロボットは電気用品安全法の「電気用品」に該当するのか?

ロボット・AI・ドローンの法律

AIやロボットは、電気用品安全法の対象になるか

IOTについては、センサーなどのデバイスについて、電化製品であることが多いです。そこでは、電気用品安全法が問題になります。

電気用品安全法とは、電化製品のの安全について、規定している法律です。

IOTに関する法律的な問題点をIOTビジネスに詳しい弁護士が解説

AI・ロボットについては、電気用品安全法上の電気用品の区分・品目に指定されていませんが、AI・ロボットの用途、構造等によっては、電気用品安全法施行 令別表第一および第二が現在指定している区分・品目の1つに当たるものと して取り扱われ、電気用品安全法の電気用品に該当します。

「電気用品」とは

電気用品安全法の規制対象となる「電気用品」とは、以下のものです。

  • 一般用電気工作物(600V以下の電圧で用いられるなど、安全性の高い電気工作物)の部分となり、またはこれに接続して用いられる機械、器具または材料
  • 携帯発電機
  • 蓄電

特に危険又は障害の発生する恐れのある電気用品である「特定電気用品」と「それ以外の電気用品」に分かれています。

特定電気用品一覧
特定以外の電気用品

「電気用品」該当すると、どうなる?

(1)届出義務

電気用品の製造または輸入を行う事業者は、電気用品の形式の区分等を経済産業大臣へ届け出なければなりません。

(2)技術基準適合性

上記の届出をした届出事業者は、届出をした電気用品について、国が定める技術基準に適合させなければならず、届出事業者自身が電気用品について検査を行い、検査記録の作成・保存義務を負います。

届出事業者が技術基準適合義務に違反していると認められた場合、改善命令の対象となり、電気用品の検査等を行わなかった場合は罰則の対象となります。

届出をした電気用品が特定電気用品である場合には、届出事業者は、当該特定電気用品を販売する時までに、経済産業大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならず、かつ、当該特定電気用品が基準に適合する旨を記載した証明書の交付を受け、これを保存しなければなりません。

また、同証明書の交付を受けず、または証明書を保存しなかった場合も罰則の対象となります。

(3)PSEマークの表示

届出事業者は、電気用品の技術基準適合性について必要な検査等を行ったときは、当該電気用品にPSEマークを付することができます。

PSEマークの付されていない電気用品の販売や陳列は原則として禁止されております。これに違反した場合は危険等防止命令の対象となるほか、罰則の対象にもなります。

AI・ロボットは、「電気用品」になるのか

上記の「特定電気用品」と「それ以外の電気用品」については、「AI」および「ロボット」は指定されていません。

ただし、「AI」・「ロボット」を搭載した製品が、上記電気用品に該当するかは検討する必要があります。

法律の対象となるかは、経済産業省 対象非対象解釈例一覧表(種類別)に記載されています。

電気用品安全法の対象となると判断された事例としては、以下の事例があります。

PRロボット

店舗等において、PR効果を得るために使用される女性型(人形)ロボット(PRロボット)が、特定電気用品のうち「電動式おもちや」に当たるとされたものです。

PRロボットは、以下のような機能を有するもので、PRロボットが「全体をロボット(人形)として完成させたものであってロボットの動きによって子供の関心を惹くものと考えられる」として、「電動式おもちや」として取り扱うことが妥当とされています。

  • ターンテーブル上に固定されており、ターンテーブル内部には超音波センサー、音声用アンプ、およびスピーカーが備え付けられているほか、ターンテーブル上面にカラーLEDライトが取り付けられている
  • PRロボットは、超音波センサーにより周囲の人の動きを感知し、テーブルを旋回させて感知した方向にロボットを向け、上半身を折り曲げてお辞儀をし、あらかじめ設定された音声(BGMおよびPRメッセージ)データを再生する
  • また、周囲の人の動きが、おあらかじめ設定された時間内に感知されない場合、ターンテーブルが左右を移動し、その間、PRメッセージを再生する

自動排泄処理ロボット

介護施設等で使用される自動排泄処理ロボットが、特定電気用品以外の電気用品のうち、電動力応用機械器具の「その他の電気吸じん機」に当たるとされた例があります。

自動排泄処理ロボットは、自動排泄処理装置として用いられるものであり、装置内に内蔵されたセンサーが排尿・排便を感知し、排出物を吸引して、温水で局部を洗浄する機能を有するものです。

同事例においては、自動排泄処理ロボットが乾燥機能を有さず、汚物を吸引するための装置であることを理由に、「その他の電気吸じん機」として取り扱うことが妥当とされました。

ただし、乾燥機能を有するものについては、特定電気用品のうち、電動力応用機械器具の「自動洗浄乾燥式便器」として取り扱うことになるとされています。