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資金移動業・収納代行(エスクローサービス)・割り勘アプリに関する最新の法律規制【解説】【2020年5月加筆】

課金サービスに必要な法律

金融庁から、収納代行などについて報告書が出される

2019年12月に、金融庁の金融審議会から、報告書が出されました。

金融審議会:決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ

ここでは、資金移動業収納代行サービスについての今後の法規制について、方向性が議論されています。

2019年6月にも、金融審議会での報告があり、今回はさらにそれを掘り下げたものになります。

資金移動業【決済送金・収納代行・エスクローサービス】の将来的な法律について

資金移動業【決済送金・収納代行・エスクローサービス】の将来的な法律について

そこで、今回は、資金移動業、収納代行、決済サービスの今後の法律的規制について、見ていきましょう!

【2020年5月 資金移動業の改正案が国会に提出されています】
資金移動業の法律が変わる!資金決済法の改正案を弁護士が解説!

収納代行(エスクロー)サービスについて

収納代行サービスについては、現状、資金決済法の「資金移動業」には、該当しないとされています。

金融庁も「平成21年1月14日付金融審議会金融分科会第二部会報告書」で「収納代行サービスについては、性急に制度整備を図ることなく、将来の課題とすることが適当」としています。

収納代行サービスの詳細は、「Osushi」騒動にみる個人間送金・割り勘サービスの法律【paymo・Kyashとの比較】を参照してください。

「Osushi」騒動にみる個人間送金・割り勘・投げ銭サービスの法律【paymo・Kyashとの比較】

今回の報告書でも、「個人間の収納代行の形式をとっているサービスのうち、エスクローサービスについては、個人間における物品の売買等の取引に際し、当事者双方の債務の同時履行を図ることにより、当事者間トラブルの未然防止機能があり、債権者・債務者双方がその利点を享受している。」としています。

そして、「エスクローサービスに為替取引に関する規制を適用する必要性については、現時点で共通の認識を得られておらず、また、これまで社会的・経済的に重大な問題とされるような被害は発生していないことも踏まえれば、直ちに制度整備を図ることは必ずしも適当ではなく」としています。

つまり、収納代行サービスについては、当面は、法規制されないことが明記されました。

資金移動業に当たらずに、収納代行スキームで行うというのは、事業者にとって、一つの選択肢です。

特に、お金が受け取る側が事業者であり、お金を払う側が、収納代行業者に支払いをした時点で債務の弁済が終了し、債務者に二重支払の危険がないことが契約上明らかである場合には、収納代行について、資金決済法の規制を適用する必要性は、必ずしも高くないとも明記されています。

割り勘アプリは、法規制の対象に

割り勘アプリについては、資金移動業に該当するのではないか、法律的な規制が必要なのではないかと言われていました。

この点、今回の報告書では次のように書かれています。

割り勘アプリのようなサービスについては…単に資金のやり取りを仲介しているだけであり、債権者が、第三者であるサービス提供者に対して逆為替(取立為替)の依頼を行っている場合と同視しうると考えられる。

このため、こうしたサービスについては、収納代行の形式をとってはいるものの、資金決済法等の為替取引に関する規制の適用対象となることを明確化することが必要と考えられる。

このように、割り勘アプリのような事業者が、単にお金のやり取りを仲介しているようなサービスについては、資金決済法の資金移動業の適用があるとされました。

よって、このような割り勘アプリ事業を運営する場合には、注意が必要です。

収納代行スキームは、法規制がされない方向に

今回の報告書では「収納代行スキーム」については、法律的規制がされない方向が明示されました。

2019年6月にも、金融審議会での報告では、収納代行スキームの法規制がされる可能性を指摘していたので、今回の報告書では、収納代行スキームを取っている事業者にとっては、追い風になるものです。

ただ、収納代行スキームになるかどうかは、専門的な知識が必要になりますので、その点は注意しましょう!