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「Osushi」騒動にみる個人間送金・割り勘・投げ銭サービスの法律【paymo・Kyashとの比較】【2024年7月加筆】

課金サービスに必要な法律

投げ銭サービス「Osushi」公開7時間後にサービス停止

ベンチャー企業のウォンタは2月1日午後2時ごろ、Web上で他のユーザーに100円単位で寄付金を送れる“投げ銭サービス”「Osushi」をリリースしましたが、7時間後にサービスを停止しました。

投げ銭サービス「Osushi」、不備で炎上 公開7時間後に一時休止

サービスを停止した理由としては、個人情報の取り方に不備があったなどの面がありましたが、個人間送金の仕組みが、資金決済法に違反するのではないかという指摘もありました。

個人間送金サービスには、日本でも、paymoKyashLINE Payなどのサービスがあります。なぜ、これらのサービスがOKで「Osushi」は、アウトなのでしょうか。

個人間送金・割り勘サービスのポイントは資金決済法上の「資金移動業」

個人間送金・割り勘サービスで気を付けるべき法律のポイントは、資金決済法上の資金移動業に該当するかです。

資金移動業に該当すると、資金移動業者の内閣総理大臣への登録が必要になります。

実際の監督官庁は、財務省財務局になりますが、資金移動業の登録は、様々なハードルをクリアしなければならず、結構大変です。

また、資金移動業の登録を受けたとしても、資金移動業者は、資産保全するため、送金途中の金額全額相当額を供託しなければなりません。

財務省と金融庁の厳しい監督下に入ることになり、これらの行政から、資金移動業者への立入検査、業務改善命令、業務停止命令の措置などが行われます。

また、資金移動業者の取引金額は、1回あたり、100万円以下にする必要がある、サービスを運営のための本人確認措置が必要など、様々な制限があります。資金移動業の登録は、特に、中小・ベンチャー企業にとっては、非常に高いハードルです。

どのような場合に、資金移動業に当たるのか?

この資金決済法上の「資金移動業」ですが、どのような場合に「資金移動業」になるのでしょうか。

資金移動業に該当するかどうかは「為替取引」に該当するかどうかで決まります。

判例上、為替取引とは「隔地者間で直接現金を輸送せず に資金を移動する仕組みを利用して資金を移動することを内容とする依頼を受けて、これを引き受けること、又はこれを引き受けて遂行すること」とされています。

つまり、AさんとBさんがいて、両者間で、現金をやり取りするサービスを提供している事業者がいたとすると、その事業者は「為替取引」に該当し、資金移動業の登録が必要になるのです。

つまり、個人間送金サービスは、そのままやってしまうと、資金移動業の登録が必要になります。

個人間送金・割り勘サービスの仕組みは?

では、既存の個人間送金・割り勘サービスが、全て資金移動業の登録を受けているかというと、実はそんなことはありません。

そこには、各サービスごとに、法律に抵触しないように、工夫があるのです。各サービスごとに、その仕組みをみていきましょう。

paymoは、決済(収納)代行スキーム

割り勘アプリとして有名なpaymoですが、こちらは、運営会社は、資金移動業の登録を受けていません。では、どうやっているのでしょうか。

この点、paymoは、決済(収納)代行という形を取っています。

決済(収納)代行とは、お金を渡したい人からお金を預かり、お金を渡したい人の代わりに、お金を受け取りたい人にお金を渡すことを言います。

つまり、事業者としては、単に資金を移動しているのではなく「お金を渡したい人の代わりに」というのが、ポイントです。

これは、コンビニで公共料金を支払えるのと同じ仕組みです。事業者は、あくまで支払うことを代行という形なので、何かしらの「支払い」が必要になります。

そのため、paymoでは、お金を渡したい人、お金を受け取りたい人の両者間で「支払」が発生しているのを証明してもらうために、レシートの添付を必要としているのです。

詳しくは、個人間送金・割り勘アプリで注意するべき法律をIT専門の弁護士が解説も参考にしてください。

Kyashは、ポイントのやり取りスキーム

個人間送金サービスのKyashも、資金移動業登録をしていません。

Kyashでは、ユーザは、事業者にお金を払い「Kyashカード」にその金額が入金されます。その「Kyashカード」に入金された金額で、ユーザは、お金のやり取りができるというものです。

分かりやすくいうと、ユーザは、Kyashサービス内で使えるポイントを購入し、そのポイントで、やり取りするという形を取っているのです。

これだと、あくまでサービス内のポイントが移動しているだけなので、資金移動業には該当しません。(ただし、ポイントなので、資金決済法上の「前払式支払手段」には該当します)

LINEゲームのアイテムに資金決済法適用!?資金決済法の「前払式支払手段」とは

このスキームの弱点は「Kyashカード」の残高を現金化できないことです。資金決済法上、ポイントの払い戻しは禁止されています。

【資金決済法】仮想通貨・ポイントは、原則払戻しが禁止~払戻しができる場合とは~

Kyash利用規約でも、次のように規定されています。

弊社は、資金決済法に基づき、Kyash残高を払戻しいたしません。そのため、ユーザーは、弊社によるカード廃止の場合又は法令に基づき払戻しが行われる場合を除き、Kyash残高の払戻しを受けることはできません。

Kyashでは、Kyashカードの残高を、amazonや楽天での買い物に使用できたり、モバイルSuicaやStarbucks Cardなどのプリペイドカードにチャージをできたりという対応をしています。

お金が移動するサービスは、法律に気を付ける

今回の「Osushi」のサービスは、サイトの情報を見る限り「資金移動業」に該当すると思います。

お金の移動が発生するサービスを運営する事業者は、特に注意するようにしましょう。

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