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スマートスピーカーの製作販売における法律の3つの注意点【解説】

スマートスピーカーとは
スマートスピーカーとは、対話型の音声操作機能を有したスピーカーです。
内蔵されているマイクで音声認識を行い、情報の検索や連携している家電 等の操作が可能なものをいます。昨今、スマートスピーカー市場がにぎわっており、様々な商品が出てきています。
主力なところでは、Google の提供する Google Home、Amazon の提供する Amazon Echo、 LINE の提供する Clova 等があります。
機能面でも、音楽配信サービスとの連携、ニュース等の視聴、インターネッ ト検索、オンラインショッピング、電話、メッセージのやりとり等が可能となっています。
スマートスピーカーの仕組み(ソフトウェア)
スマートスピーカーには、独自のAIが内蔵されています。
そのため、スマートスピーカーの販売を行うビジネスに際しては、まず、そのコアとなるAIの開発が必要になります。
その際には、特に音声認識等に関して、多量のデータを収集して、学習用データセットを作成したうえで、そのデータに基づき学習済みモデルの構築が必要になります。
その際の データの収集方法としては、当該プロジェクトのためにAIベンダーがセ ンサ等から新たに取得する場合もあれば、既存の他のビジネスにおいて自らが収集した情報を流用する場合、第三者が収集した情報を有償または無償で譲り受けて利用する場合や、一般に公開されアクセス可能な情報を利用する場合もあります。
スマートスピーカーの仕組み(ハードウェア)
コアとなるAIの開発ができれば、スマートスピーカーのハードとしての開発が行われます。
これについては、自社で行う場合もあれば、デバイス製造を専門とする第三者に委託する場合もあります。
第三者に委託する場合には、当該第三者との間で、製造委託契約が必要になります。
また、スマートスピーカーができあがった後も、通常の家電と異なる点は、 常に機能のアップデートがなされる点です。
各スマートスピーカーは、 自社サービスのみならず、多くの提携事業者と提携することにより、その 機能が増えていくことになります。
たとえば、音楽配信事業者のサービスと連携することにより、スマートスピーカーで音楽が聴き放題となったり、各種メディアや情報提供会社からコンテンツを仕入れたりすることにより、 スマートスピーカーでいろいろな情報を取得することができる機能が解放されます。
スマートスピーカーと法律の注意点
このようなスマートスピーカーですが、例えば、スマートスピーカーを製作し、販売するビジネスの場合には、どのような法律的な注意点があるのでしょうか?
スマートスピーカーの開発段階においては、そのコアとなるAIの開発が必要になります。
その際には、特に音声認識等に関して、多量の データを収集して、学習用データセットを作成したうえで、そのデータをAIに入力することにより学習済みモデルの構築が必要になります。
また、開発したAIをどのように保護するかも問題となり、製造事業者としては、開発したAI がどのように保護されるのかについて十分に理解しておく必要があります。
さらに、このような目に見えない権利に関する論点のほか、スマー トスピーカーはハードの製造、販売も伴うため、デバイス、通信ネットワー クに関する各種法規制が適用されることになるのです。
以下、具体的な法律的な注意点を解説します。
学習用データの法律的な注意点
AI開発にあたってのデータの収集、加工、学習用データ の収集・作成にセットの利用に関して、学習用データの内容により、著作権や不競法、個人情報保護法等が関係していきます。
詳しくは、AI(人工知能)開発における「学習用データ」の取り扱いに関する法律的なポイントを参照してください。
学習済みモデルの法律的な注意点
学習済みモデルにどのような権利が発生し、どのように法ルの保護と権利的に保護されるのかについては、AIの作成した生成物や学習済みデータは著作権法で保護されるのか。と「不正競争防止法の改正」によるAIやIOTビジネスへの影響とは【解説】を参考にしてください。
デバイス、通信ネットワークに関する法律的な注意点
スマートスピーカーの提供にあたっては、以下の法律に定める要件を充たす必要があり、事業届出・技術基準適合義務・表示義務等を負います。
- 電気用品安全法
- 消費生活用製品安全法
- 電波法
IOTに関する法律的な問題点をIOTビジネスに詳しい弁護士が解説
スマートスピーカーに関する法律は、様々な考慮が必要
上記のようにスマートスピーカーに関しては、ソフトウェア、ハードウェアにおいて、様々な考慮が必要です。
事業者としては、きちんとした法的対応をするようにしましょう!