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収納代行・決済代行が法律的に規制される? 決済・送金の最新法律【解説】

IT企業のための法律

収納代行(決済代行)が法律的に規制される?

他人から資金を預かり、第三者に支払うというスキームについて、資金決済法上の「資金移動業」の法律が関わり、資金移動業に該当する場合には、資金移動業の登録が必要になるということは、このブログでもお伝えしてきました。

そして、この資金移動業の法律は改正されて、改正法は2021年5月1日から施行されます。

資金移動業の法律が変わる!資金決済法の改正案を弁護士が解説!【2021年4月加筆】俊

資金移動業の法律が変わる!資金決済法の改正案を弁護士が解説!【2021年4月加筆】

収納代行(決済代行)は、従来「資金移動業」には該当せず、資金移動業登録は必要がないとされてきました。

しかし、今回の資金移動業の法改正で、割り勘アプリなどの個人間送金の場合で、一定の要件を満たす場合には、資金移動業登録が必要になるとされました。

今回はどういった場合に、収納代行(決済代行)が資金移動業として法律的規制があるのかを解説します。

従来は、収納代行サービスについては、資金決済法の「資金移動業」には、該当しないとされていました。

金融庁も「平成21年1月14日付金融審議会金融分科会第二部会報告書」で「収納代行サービスについては、性急に制度整備を図ることなく、将来の課題とすることが適当」としていたのです。

収納代行と資金移動業の違いは「「Osushi」騒動にみる個人間送金・割り勘サービスの法律【paymo・Kyashとの比較】」を参照してください。

「Osushi」騒動にみる個人間送金・割り勘・投げ銭サービスの法律【paymo・Kyashとの比較】【2020年7月加筆】

しかし、この間に割り勘アプリなどの個人間送金サービスも生まれ、トラブルも増えてきました。

そこで今回の法改正で、個人間送金の収納代行(決済代行)で、一定の要件を満たす場合には、資金移動業の対象となったのです。

収納代行(決済代行)が資金移動業になる場合

受取人が個人であること

まず今回の法改正で、収納代行サービスが全て資金移動業登録が必要になったわけではありません。

法律では以下のように規定されています。

受取人が個人(事業として又は事業のために受取人となる場合におけるものを除く。)であることその他の内閣府令で定める要件を満たすものは、為替取引に該当するものとする。

まず受取人が個人である場合です。つまり、受取人が法人(会社)である場合には、以前と変わらず資金移動業の登録は必要ありません。

そして、受取人が個人である場合でも、「事業として又は事業のために受取人となる場合におけるものを除く。」とされています。

例えば、個人間で仕事を受発注し合うプラットフォームで、収納代行スキームを取る場合には、まさに「事業のために受取人」となっているため、資金移動業に当たりません。

債務消滅の時期

受取人が個人であることの要件を満たす場合でも、以下の場合には、資金移動業に該当しません。

収納代行業者が資金を受け入れた時までに当該債務者の債務が消滅する場合です。これは従来の収納代行スキームでも必要とされていた要件ですが、今回法律でも明確化されました。

これについては、受取人が有する金銭債権の発生原因である契約の締結の方法に関する定めをすることその他の当該契約の成立に不可欠な関与をすることが必要だとされています。

つまり、支払う人が事業者に代金を支払った段階で、支払う人と受け取る人の決済が完了するという仕組みにする必要があります。

そしてそれは、契約書(利用規約)などで、受け取る人の同意を取る必要があります。

同意の内容は、支払う人が事業者にお金を支払った段階で、支払う人から受け取る人への債務が消滅することです。

収納代行(決済代行)の法律も変化していく

金融庁が出している事務ガイドラインでは、改正法に該当しない行為であっても、これらの行為が将来にわたって資金移動業に該当しないものとされているわけではないと明言しています。

今後、収納代行に関する法律は変化していくことが予想されますので、最新情報をチェックしておきましょう!