IT法務・AI・Fintechの法律に詳しい弁護士|中野秀俊のホームページです。 IT法務や仮想通貨(ICO)、AIなどのITビジネスを専門に扱う法律事務所です。
グローウィル国際法律事務所
10:00~18:00(月~金)

広告主におけるアフィリエイト広告を出す場合の法律的注意点 

インターネット法律

アフィリエイト広告で、法律的に注意する点

アフィリエイト広告をするという場合に、企業(広告主)が知っておくべき法律、注意すべきポイントを解説していきます。

景品表示法の適用

広告主による表示部分(バナー装示)

広告主がインターネット上でバナー広告を掲載するに当たっては、景品表示法のほか、特定商取引法、薬機法(旧薬事法)、健康増進法及び貸金業法等の広告表現を規制する法令に留意する必要があります。

この点、景表法において規制の対象となる「表示」とは、「顧客を誘引するための手段として,事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であって、内閣総理大臣が指定するもの」と定義されています。

そのためアフィリエイターがアフィリエイトサイトに掲載する、広告主のバナー広告における表示に関しては、バナー広告に記載された商品・サービスの品質,規格その他の内容や価格その他の取引条件等について、景表法上の不当表示として規制を受ける場合があります。

したがって、広告主が自ら又はASPを通じて、アフィリエイトサイトにおいて、バナー広告を掲載させるに当たっては、バナー広告の表示内容が景表法に抵触することのないよう事前に精査することが必要となります。

アフィリエイターによる表示部分

アフィリエイト広告においては、アフィリエイターがバナー広告への誘因を図るために、アフィリエイトサイト内で虚偽の表現や誇張した表現を用いることがあり得ます。このような表現は、景表法の規制の対象となり得るでしょうか。

この点、上記「表示」の定義から読み取れるとおり、景表法が規制の対象としているのは自ら商品又は役務を供給する事業者なので、アフィリエイターやASPに景表法に基づく規制が及ぶことはないと解されています。

広告主が責任を負うことはあるの?

それでは、広告主が、アフィリエイターによる表示部分について、景表法上の責任を負うことはあり得るでしょうか。

この点について消費者庁は、「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」において、「アフィリエイトサイト上の表示についても、広告主がその表示内容の決定に関与している場合(アフィリエイターに表示内容の決定を委ねている場合を含む。)には、広告主は景品表示法及び健康増進法上の措置を受けるべき事業者に当たる。」と述べ、広告主がアフィリエイターによる表示部分について景表法上の責任を負うことがあり得るという考え方を表示しています。

2021年3月には、消費者庁から「虚偽・誇大なアフィリエイト広告に関する注意喚起」が出されて、虚偽のアフィリエイト広告については、広告主も責任を負うことが示されています。

このように、広告主にはアフィリエイターによる表示部分についても景表法上の責任を負う可能性があることを踏まえると、アフィリエイト広告を利用するに当たっては、バナー広告だけでなく、アフィリエイターによる表示部分についても、その内容が景表法を遵守しているか注意する必要があります。

したがって広告主は、すべてのアフィリエイターによる表示の内容を把握することは困難であるとしても、自ら又はASP 等の第三者を通じて、アフィリエイターに対して,虚偽や誇張した事実を用いて閲覧者にバナー広告をクリックさせないように注意喚起を行うなどの管理体制の整備が重要となります。