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【弁護士解説】インターネット広告で気を付けるべき法律

インターネット法律

インターネット広告の法律的ポイントとは

インターネット広告とは、ウェブサイトや電子メール等のインターネットを用いて広告の主たる企業からインターネットユーザに向けて発信される広告のことをいいます。

インターネット広告の特徴としては、 以下の2点が挙げられます。

  • インタラクティブ性(ユーザの具体的なインターネットでの行動に応じて表示する広告を変化させること)
  • ターゲティング性(ユーザ属性が、会員登録情報やクッキー等により一定程度特定されることにより一定の属性にターゲットを限定した広告表示できること

また、インターネット広告は、広告の素材、内容、広告の配信等の違いによって検討すべき法的問題点に違いをもたらします。

例えば、広告素材に関しては、著作権肖像権パブリシティー権等、広告の内容に関しては、特定商取引に関する法律景品表示法、配信方法に関しては個人情報の保護に関する法律プライバシー権特定電子メール法などがあります。

それでは、広告の種類ごとに法律面で注意すべき点を見ていきましょう。

行動ターゲティング広告の法律的ポイント

行動ターゲティング広告とは、インターネット広告におけるターゲティング特徴を活用し、広告の対象となるユーザの行動履歴をもとに、ユーザの興味関心を推測しターゲットを絞ってインターネット広告配信を行う手法います。

行動ターゲティング広告では、ユーザのIPアドレスやクッキー等における位置情報やインターネット上での行動履歴等を収集し利用しますが、このことがユーザのプライバシーや個人情報保護法との関係で問題になるのではないかと議論されています。

「パーソナルデータの利用・流通に関する研究会」報告書の公表

現段階では、行動履歴等については、それのみではプライバシーや個人情報との関係で問題となるものではありません。

もっとも、個人に関する情報と連携する形で、行動履歴を取得する場合には、個人を特定できる情報とし、「個人情報」に該当するとされてます。

検索連動型広告と法律的ポイント

検索連動型広告とは、インターネット広告におけるインタラクティブ性の特徴を活用し、ユーザが検索エンジンで検索すると、その検索キーワードに関連する広告が、検索結果の右側などに区別された場所に一覧になって表示されるものです。

GoogleのGoogleアドワーズYahoo! JAPANのスポンサードサーチが代表的です。広告の形状はテキスト型広告が一般的で、PPC広告・キーワード広告とも呼ばれます。

検索連動型広告では、行動ターゲティング広告と同様にプライバシーや個人情報保護との関係で問題なります。

他社商品のキーワードを購入した場合

検索連動型広告において、競業他社の商品名などの人気キーワードを購入し、当該検索キーワードの検索結果ページの広告スぺースに、自社の広告を表示させることは、法律的に問題ないのでしょうか。

平成19年9月13日大阪地裁判決では、ある企業Yが、Yahoo!JAPANの検索エンジンに、企業Xが出している商品名で、X商標でもある「カリカセラピ」のキーワードを入力した際に、表示される検索結果ページの広告スぺースに、X商品と同じパパイア発酵食品を販売している旨の広告と自社ホームページを表示させていたというものです。

X社がY社を商標権侵害で訴えたのですが、大阪地裁は、以下の理由からX社の訴えを棄却しました。

原告商標をキーワードとして検索した検索結果ページに被告が広告を掲載することがなぜ原告商標の使用に該当するのか、原告は明らかにしないし、その被告の行為は、商標法2条3項各号に記載された標章の「使用」のいずれの場合にも該当するとは認め難いから、本件における商標法に基づく原告の主張は失当である。

以上のように判決は判示していますが、なぜ原告商標の使用に該当するのか、原告は明らかにしないとあるように、この点を明らかにできれば、商標権侵害も認められる可能性があります。

実際に、我が国の判決ではないですが、欧州司法裁判所2010年3月23日判決では、広告主である競業他社については、取引上の商品またはサービスに関する使用であって、商標の機能を害するおそれがあるとして、商標権侵害の成立の可能性があるとしました。

もちろん、これは、日本の裁判例ではないので、日本において、先例にはなりませんが、商標権侵害になるという主張も、法律的には十分可能で、今後、日本の裁判で認められる可能性があるのです。

アフィリエイト広告の法律的ポイント

アフィリエイト広告は、自社商品・サービスをアフィリエイターと呼ばれる方たちに拡散してもらうものです。

このときに注意しないといけないのが、アフィリエイターが、自社商品サービスを、自社と意図とは、異なった広告をした場合です。

例えば、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)を経由してアフィリエイト広告をする場合には、ASPとアフィリエイターとの間の利用規約を確認しましょう。

通常、以下のような条項があるはずです。

ASPは自社の判断により、アフィリエイターのコンテンツの変更、削除などを行うことができる ASPが不適当と判断した場合には、アフィリエイターを退会させることができる

事業者としては、このような規定があれば、ASP側に対して、この利用規約に基づき、当該コンテンツの変更、削除をするよう請求することが考えられます。

また、ASPに対して、当該アフィリエイターを退会させるなどの措置を取ることも併せて請求すべきです。

アフィリエイターの不適切な広告を放置すると、サービス提供者にも制裁が

自社の意図とは異なる広告しているアフィリエイターに対して、自社が行っていないからといって、放置していると、景品表示法上の制裁(行政からの措置命令、損害賠償請求)が生じる可能性があります。

そのため、不適切な広告があれば、アフィリエイターやASPなどに連絡、削除要請など迅速に対応するようにしましょう。

ステルスマーケティングの法律的ポイント

ステルスマーケティング(ステマ)については、様々な問題が提起されています。法律的には、景品表示法による規制があります。

これらについては、以下の記事で記載していますので、参考にしてください。

企業がインフルエンサーを使って広告宣伝する際に気をつけるべき法律【インフルエンサー・マーケティング】
広告表記のない編集コンテンツは【景品表示法違反】になるのか?

インターネット広告は、法律問題に注意

上記のように、インターネット広告は、様々な法律的注意点があります。
事業者としては、注意する必要があるのです。


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