システム開発やアプリ開発、AI開発などIT企業の法律・法務に強い弁護士事務所です
グローウィル国際法律事務所
03-6263-0447
10:00~18:00(月~金)

広告表記のない編集コンテンツは【景品表示法違反】になるのか?

Yahoo!ニュースが、ステマについての見解を発表

Yahoo!ニュースが、編集コンテンツと誤認させる広告記事について以下のような見解を発表しました。

広告であることを隠し、編集コンテンツと誤認させて広告を届けるような行為が行われているということです。「ノンクレジットのネイティブ広告」「ノンクレジットのタイアップ記事」などと呼ばれることもあるようですが、読者を裏切るステルスマーケティング(いわゆる「ステマ」)の一種であり、優良誤認として景品表示法違反に問われる可能性もある悪質な行為です。

ここで、広告表記がないという理由だけで、当該記事は景品表示法上の優良誤認に当たるのでしょうか?

ウェブサイトの表記で気を付けたい景品表示法

景品表示法上の優良誤認表示とは、要するに、商品の品質や規格などについて、実際のものよりも、または、競争関係にある事業者のものよりも、著しく優良であると示すことをいいます(景品表示法4条1項1号)。

そして、違法か否かの判断基準は、「商品の品質や規格などについて」、いわゆる「盛った」表現をしているかです。
つまり、記事の中で宣伝されている商品やサービス自体が優れていると著しく誇張することです。

また、法律上も、「著しく」という文言がある通り、少し誇張した程度では違法になりません。

広告表記のない編集コンテンツについては、編集コンテンツにある商品について、「盛った」表現をしているわけではないため、それ自体では、景品表示法違反にならないと思われます。

どのような場合にステマが景品表示法に違反となるのか?

では、ステマつにいて、どういう場合に景品表示法に違反するといえるのでしょうか?

この点、消費者が公表した「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」では、インターネット上のステマが優良誤認表示に当たる例として、次の点を挙げています。

口コミサイトなどで、その商品やサービスに対する好意的な評価がさほど多くないにもかかわらず、その品質などについて、『あたかも一般消費者の多数から好意的評価を受けているかのように表示させること

また次のようにも定義しています。

商品・サービスを提供する事業者が、顧客を誘引する手段として、口コミサイト に口コミ情報を自ら掲載し、又は第三者に依頼して掲載させ、当該「口コミ」情報が、当該事業者の商品・サービスの内容又は取引条件について、実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるものである場合には、景品表示法上の不当表示として問題となる。

やはり、景品表示法で問題となるのは、商品やサービスの内容について、実際よりもよく見せようとする表現です。事業者は、この点に注意が必要です。

ウェブサイトの表記は何をしてはいけないかを明確に

以上のように、ウェブサイトの表記には、景品表示法という法律によって、ルールが規定されています。知らずに、法律違反していました!…なんてことのないように、事前にしっかりチェックしておきましょう!