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まとめサイト(キュレーションサイトやリーチサイト)を運営する上で気を付けるべき法律【2023年1月加筆】

まとめサイト運営で法律的に気を付けるべきこと
まとめサイトとは、特定のテーマで情報を収集・編集したウェブサイトのことを指します。その形態は様々で、単にURLを張り付けたもの、記事を転載したものなどがあります。
このような「まとめサイト」は、法律上、どのような問題点があるのでしょうか?
リンクを張り付けた「リーチサイト」の法律
ウェブサイトにリンクを掲載するサイトを「リーチサイト」といいます。
リーチサイトについては、リンクについて著作物とは言えないとされているため、リンクを貼る行為自体は著作権侵害とは言えません。
もっとも著作権侵害にはならなくても、他の法律によって、違法とされ、損害賠償請求される可能性があります。
YOL事件(知財高判平成17年10月6日)
この事件は大手新聞社のオンライン上のニュース記事にリンクを貼り、記事見出しもほぼ同一の語句をつけたというものです。
この裁判例では、以下の2点から著作物性が否定されました。
- リンクについては著作物性を否定
- 記事の見出しについては、見出しに創作性があると言うことにはならない
従来から、見出しやタイトルなどの短いフレーズについては、著作物性がないとされていたのでそれを確認した判例になっています。
この判例では、著作権侵害については否定されましたが、民法上の一般不法行為については肯定されました。そうすると、単にURLを貼るだけのサイトであっても、一般不法行為として違法になることがありえます。
なので、リンクを貼る行為が著作権侵害にならないからといって、不法行為によって損害賠償等を請求される可能性があるので、まとめサイト事業者としては注意が必要です。
相手方に悪影響を及ぼしているような場合には、特に注意が必要です。
記事の一部を抜粋する「まとめサイト」の法律
これは、記事を一部を抜粋し、そのまま転載して紹介するといったような「まとめサイト」の場合はどうなるのでしょうか?
一部を転載することは、複製や公衆送信権の侵害であり、無許可で行う場合には著作権侵害が起こります。
記事の一部を抜粋するのは、著作権法(著作権法32条1項)上の引用にあたり著作権侵害とはならないのではないかとも思われますが、引用には、ルールがあります。
まとめサイト(キュレーションサービス)事業者が気を付けるべき著作権侵害。
例えば、主従関係と言う要件がありますが、まとめサイトでは、引用部分が全てであり、まさに主の部分であることから、この主従関係の要件を満たさないという形になります。
また、著作権法32条1項では、引用の要件について、「公正な慣行、報道、批評、緊急その他引用の目的上正当な範囲内」と定めています。
この点、まとめサイトについては、正当な理由がある事は少ないのが実情です。単にアクセスを稼いだり、ページビュー数を稼ぐようなものについては、引用の目的は満たさないでしょう。
記事を改変してまとめるキュレーションサイトの法律
インターネット上に存在する記事を改変し、それをまとめる形式のキュレーションサイトはどうでしょうか。
これは、インターネット上に存在する記事を改変することが、著作権侵害に当たるかどうかが問題になります。
著作権侵害に当たるかどうかは、以下の2点を満たすことが必要です。
- 類似性(元のコンテンツと似ている)
- 依拠性(元のコンテンツを参考にしている)
著作権法上の翻案当たるかどうかは以下のような要件を満たすかどうかに関わってきます。
キュレーションサイトの多くは、元のコンテンツに移動して、元のコンテンツがわかるようにしていることが多いため、著作権侵害と言われる可能性が高いでしょう。