インターネットネット上で収集した情報を編集、分類し、消費者にわかりやすく伝えるまとめサイトのサービスが増えてきています。
有名なところでは、「NAVERまとめ」やツイッターのまとめサイトである「トゥギャッター(Togetter)」、女性向けのキュレーションサービスである「メリー(MERY)」があり、様々なキュレーションサービスが登場してきています。
このようなまとめサイトを運営する際に気をつけたいのが、著作権に関する問題です。
バイラルメディアとして知られていた「バズニュース(BUZZNEWS)」は閉鎖され、全記事が閲覧できない状態になり、「アットリップ(A!@attrip)」も全記事を削除し、運営を改善すると発表しました。
この原因は、コンテンツの盗用です。そもそも、こういったバイラルメディアに掲載されているコンテンツのほとんどが、ネットで公開されている面白い画像や動画、感動するエピソードを複製(コピー&ペースト=コピペ)して拡散し、大量のトラフィックを集めていたのです。
もっとも、事業者としては、すべてのコンテンツに対して、作成者の許諾を取ることは現実的ではありませんよね。そこで、著作権法に抵触しない方法を探る必要性があります。
著作権の例外規定として、「引用」の場合があります。著作権法では、「公表された著作物は、引用して利用することができる」と規定しています(著作権法第32条)。
では、この引用は、どのようにすればいいのでしょうか? この点、著作権法では、
「公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」
とされているものの、具体的にこうすればいいということは書かれていません。ただ、これまでの判例などを見ていると、次のような要件基準が必要になっていきます。
自分の作成したコンテンツと他者のコンテンツを明確に区別するというものです。区別の仕方としては、他者のコンテンツにはカギ括弧やブロッククオートをつけるなどの方法が考えられます。
質的にも量的にも、自分の著作権が「主」と他者コンテンツが「従」の関係にあることが必要になります。
他者コンテンツを引用する場合には、出典を明示することが必要になります。
法律では、著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない(著作権法48条1項)とされています。
また、これに違反した場合には、五十万円以下の罰金が課されます(法122条)
著作権の例外規定としての「引用」とするには以上のような条件を満たす必要があります。これらの要件も不明確なところが多く、どこまでがセーフで、どこからがアウトなのかという明確な基準がありません。
また、最近の判例では、これらの要件に加えて、「他人の著作物を利用する側の利用の目的」「その方法や態様、利用される著作物の種類や性質」「当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度」などを総合して考慮することが判示されています。
引用にあたるかどうかは、自分で判断することなく、必ず弁護士など専門家の意見を聞くようにしましょう。