前回、健康食品の広告規制について、よくある質問に回答しました。今回も、健康食品の広告規制について、よくある質問に回答します。
参考記事:【健康食品の広告規制】特定成分の効果と健康食品の広告を一つにまとめるのはあり?他、質問に回答。
そもそも、承認のない健康食品について効能効果を広告することは、薬機法違反になります。
そして、薬機法上、広告と判断されるか否かは、以下の観点から実質的に判断されるとされています。
新聞等で、特定の商品名を記載した記事を掲載することは、2の特定性と3の認知性の要件は満たします。
1の誘引性の判断については、裁判例などで、行為の体裁内容等を客観的にみて顧客誘引のための手段としての性質を有するかという客観的側面を問題にするのが相当であるとされています。
例えば、記事が、新聞等のメデイアが広告依頼者から依頼を受け、依頼者が費用を負担して、掲載をするような場合は、いわゆる記事風広告となり誘引性が認められる可能性が高いです。
また、特定の1種類の商品を紹介するような場合も同様です。
一方、現在の消費動向・消費傾向を読者に知らせるために、複数多種の商品を紹介しているような場合には、誘引性が認められない可能性があります。
なお、ウェブサイト上に効能効果をうたった上で、特定の商品を紹介し、商品が購入可能なホームページのリンクが貼ってあるような記事は誘引性が認められる場合が可能性が高いです。
健康食品等に含まれる成分について、研究所等の機関が当該成分の効能効果等について研究を行い、研究効果を発表することは、法的に問題はありません。
しかし、その効能効果等を標榜したチラシ等が特定の商品の広告とみなせる場合には、薬機法違反となります。
前述しましたが、薬機法上の対象となる広告となるかは、以下の通りです。
裁判例においては、製造段階の広告の判断ではありますが「例えばパッケージに印刷されている表示のように、その物と物理的に一体である場合はもとより、物理的に一体とはいえないものであっても、当該情報が製造時に存在し、将来その物が販売される際、客観的にその物の説明、宣伝として用いられる蓋然性の高いと認められるものを含むと解するのが相当である。」と判示し、医薬品該当性の判断において、物理的に一体でないものも含むとしたものがあります。
また、薬機法上は問題なくても、景品表示法で問題となる場合もあります。
例えば、クロレラ研究会という組織が、作成したチラシを不特定多数の消費者に向けクロレラ等の効能として、以下の記載した新聞折込みのチラシを配布し、健康食品の販売会社(被告)が成分がクロレラの健康食品を販売していた事案があります。
これに対して、以下のような実体が考慮されました。
その結果、以下の理由から販売会社が、景品表示法違反があるとされました。
健康食品の広告には、薬機法のほか、景品表示法などの法律が関わってきます。
それらをきちんと守らないと、行政指導などを受ける可能性があります。
事業者としては、きちんと守るようにしましょう!