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健康食品の「広告」で気を付けるべき4つの法律【弁護士の解説】

インターネット法律

健康食品の「広告」とは

健康食品の広告においては、薬機法上の制限があります。

例えば、医薬品的な効能効果をうたうことは、未承認医薬品の広告となるため許されません。

この中で、法律上の「広告」と判断されるか否かは、以下の観点から実質的に判断されることとなるとされています。

  1. 顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
  2. 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
  3. 一般人が認知できる状態であること

健康食品の広告は、どこまでの内容ならOKなのか【薬機法】

景品表示法にも注意が必要

また、薬機法上の未承認医薬品の広告とはみなされなくとも、景品表示法の優良誤認(実際よりも、「盛った表現」)に当たる表示はできません。

景品表示法に違反をした場合、誤認の排除、再発防止の措置、違反行為の差止め等の措置命令がされることがあり、措置命令が行われた場合には公表されます。

措置命令に違反した者には、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金となる可能性があります。

また、法人でも、3億円以下の罰金刑、代表者に対しても、300万円以下の罰金刑が科されます。

実際にも、優良誤認等の不当な表示をした場合、課徴金の納付を命じられることがあります。

優良誤認があったとして、葛の花由来イソフラボンを成分とする機能性表示食品の販売事業者16社が措置命令を受け、そのうち9社に課徴金納付命令が出された事例等があります。

葛の花由来イソフラボンを機能性関与成分とする機能性表示食品の販売事業者9社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について

健康食品と健康増進法

また、健康増進法においても、食品の健康保持増進等について虚偽誇大な表示を禁止しています。

この規定に違反し、「国民の健康の保持増進及び国民に対する正確な情報の伝達に重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき」は、消費者庁から勧告が出されることがあり、その場合は、消費者庁のホームページなどで公表されます。

「国民の健康の保持増進及び国民に対する正確な情報の伝達に重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき」とは、以下のような場合とされています。

  • 表示されている健康保持増進効果等に関する苦情等が関係機関に数多く寄せられている場合
  • 当該食品を摂取した者が健康を害したとする苦情等が関係機関に相当数寄せられている場合
  • 「血糖値を緩やかに下げる」、「血圧を下げる」等の健康保持増進効果等に係る虚偽誇大表示がなされることにより、診療を要する疾患等を抱える者が適切な診療機会を逸してしまうおそれがある場合

「トマト酢生活トマト酢飲料」と称する特定保健用食品において、「血圧が高めの方に適した食品です。」との表示が認められていたにもかかわらず、医薬品等を服用することなく、高血圧を改善するような表示をしたとして勧告を受けた例があります。

勧告を受けた者が、正当な理由なく措置をとらない場合は、措置が命じられます。命令に違反した者には、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。

健康食品等の「広告」は、消費者契約法の「勧誘」に該当するのか

消費者の契約の締結について「勧誘」をする場合に、不実告知(実際とは異なる告知)を行った場合には、適格消費者団体は、事業者等に対し、当該行為の停止若しくは予防等の請求ができます。

消費者契約法の「勧誘」は、通常は、特定の顧客に対しての勧誘行為をいい、不特定多数への広告は、消費者契約法の「勧誘」には当たらないという理解がありました。

一般消費者に向けたチラシの配布等の広告が「勧誘」に該当するか否かが争われた判例では「事業者等による働きかけが不特定多数の消費者に向けられたものであったとしても,そのことから直ちにその働きかけが法12条1項及び2項にいう「勧誘」に当たらないということはできないというべきである。」と判示したものがあります。

この判例では、どのような「広告」が「勧誘」に当たるのか、具体的に示されていないのですが、事業者としては、十分注意する必要があります。