2019年6月21日に、暗号資産(仮想通貨)の法律的規制についての金融庁ガイドラインが改訂されました。
「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」の一部改正(案)の公表について
元々は、現在の仮想通貨法の成立に併せて、2017年4月1日に発表されていたものを、今回の法律改正によって、改訂されたものです。
法律の詳しい内容は、暗号資産(仮想通貨)における法律改正が成立!その内容は?いつから施行?を参照してください。
この改正法において、具体的な解釈基準したのが、金融庁のガイドラインです。それでは今回、改訂された金融庁ガイドラインから、ICOの具体的な規制内容をみていきます。
【2020年4月5日加筆】
暗号資産(仮想通貨)の施行日は、2020年5月1日になりました。
これまで、ICOについては、定義はなく、金融庁として、ICOの規制については明言していませんでした。
今回のガイドラインでは、以下のように、示されています。
ICO(Initial Coin Offering)とは、明確な定義はないものの、一般に、企業等がトークンと呼ばれるものを電子的に発行して、 公衆から法定通貨や仮想通貨の調達を行う行為の総称をいう。
そして、ICOの規制については、以下のように示しています。
ICO において発行されるトークンが法第2条第5項に規定する仮想通貨に該当する場合、当該トークンを業として売却又は他の仮想通貨と交換 する行為は、仮想通貨交換業に該当する。
よって、発行するトークンが、「仮想通貨」(暗号資産)に該当するかを判断する必要があるのです。
改訂前のガイドラインでも、仮想通貨該当性についての解釈基準が示されていましたが、この解釈基準は、ICOという手法が知られる前のものであったため、ICOトークンが仮想通貨に該当するのかが、明確ではありませんでした。
そもそも、法律上の仮想通貨(暗号資産)に該当するかについては、「不特定多数の人と売買・交換できるか」にかかっています。
そして、今回のガイドラインの改訂版では、次の項目が追加されました。
「不特定の者に対して使用することができる」ことを判断するに当たり、例えば、「ブロックチェーン等のネットワークを通じて不特定の者の間で移転可能な仕組みを有しているか」
このブログでも、上場前のトークンでも、上場する可能性、譲渡できる仕組みがある場合(流通性がある場合)には、そのトークンについては、仮想通貨に当たると金融庁は解釈しているとお話してきましたが、その解釈を、今回ガイドライン上で明記した形になります。
よって、日本において、ICOを行う事業者は、販売するトークンが、以下の場合には、ICOを行う事業者は、仮想通貨交換業の登録が必要であることが明確化されました。
上記のような、ICOトークンの販売を行う場合には、金融庁としては、以下の審査項目を行うことになっています。
また、トークンを発行した後も、金融庁からの監督があり、仮想通貨交換業者に対し、定期的に又は必要に応じて、 トークンの販売状況等の報告を求めるとしています。