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2019年6月21日に改訂された金融庁ガイドラインにみる仮想通貨・暗号資産ICOの法律と規制とは

仮想通貨・デジタル通貨に関する法律

暗号資産(仮想通貨)の金融庁ガイドラインが改訂

2019年6月21日に、暗号資産(仮想通貨)の法律的規制についての金融庁ガイドラインが改訂されました。

「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」の一部改正(案)の公表について

元々は、現在の仮想通貨法の成立に併せて、2017年4月1日に発表されていたものを、今回の法律改正によって、改訂されたものです。

法律の詳しい内容は、暗号資産(仮想通貨)における法律改正が成立!その内容は?いつから施行?を参照してください。

この改正法において、具体的な解釈基準したのが、金融庁のガイドラインです。それでは今回、改訂された金融庁ガイドラインから、ICOの具体的な規制内容をみていきます。

ICOの定義

これまで、ICOについては、定義はなく、金融庁として、ICOの規制については明言していませんでした。

今回のガイドラインでは、以下のように、示されています。

ICO(Initial Coin Offering)とは、明確な定義はないものの、一般に、企業等がトークンと呼ばれるものを電子的に発行して、 公衆から法定通貨や仮想通貨の調達を行う行為の総称をいう。

そして、ICOの規制については、以下のように示しています。

ICO において発行されるトークンが法第2条第5項に規定する仮想通貨に該当する場合、当該トークンを業として売却又は他の仮想通貨と交換 する行為は、仮想通貨交換業に該当する。

よって、発行するトークンが、「仮想通貨」(暗号資産)に該当するかを判断する必要があるのです。

仮想通貨(暗号資産)に該当するかのポイント

改訂前のガイドラインでも、仮想通貨該当性についての解釈基準が示されていましたが、この解釈基準は、ICOという手法が知られる前のものであったため、ICOトークンが仮想通貨に該当するのかが、明確ではありませんでした。

そもそも、法律上の仮想通貨(暗号資産)に該当するかについては、「不特定多数の人と売買・交換できるか」にかかっています。

そして、今回のガイドラインの改訂版では、次の項目が追加されました。

「不特定の者に対して使用することができる」ことを判断するに当たり、例えば、「ブロックチェーン等のネットワークを通じて不特定の者の間で移転可能な仕組みを有しているか

このブログでも、上場前のトークンでも、上場する可能性、譲渡できる仕組みがある場合(流通性がある場合)には、そのトークンについては、仮想通貨に当たると金融庁は解釈しているとお話してきましたが、その解釈を、今回ガイドライン上で明記した形になります。

よって、日本において、ICOを行う事業者は、販売するトークンが、以下の場合には、ICOを行う事業者は、仮想通貨交換業の登録が必要であることが明確化されました。

  • 上場する可能性がある
  • 仕組みとしては、トークンが移転可能である場合

日本国内で、ICO販売を行う場合の金融庁の審査基準

上記のような、ICOトークンの販売を行う場合には、金融庁としては、以下の審査項目を行うことになっています。

  • 対象事業の適格性・実現可能性や取り扱うトークンの適切性などを的確に審査し、これを検証しているか。
    ⇒トークン自体が、どういう設計かについて、具体的に説明することが必要することが必要です。
  • 発行者に関する情報、トークン保有者に対して負う債務の有無・内容、トークンの販売価格の算定根拠のほか、対象事業にかかる事業計画書、事業の実現可能性等を、トークンの販売時に顧客に提供しているか。
    ⇒ホワイトペーパーに、トークンを販売することによって、何を実現するのかについて、きちんと明確にすることが必要です。
  • 発行者の財務状況、トークンの販売状況、対象事業の進捗状況その他トークンの売買等の判断に影響を及ぼす事項を、適切な方法により、継続的にあるいは適時に開示しているか。
    ⇒ICOトークンを販売するに当たり、顧客に対する情報開示を求めています。
  • 著しく不適当と認められる数量、価格その他の条件によるトークンの販売を防止するために、日本仮想通貨交換業協会が定める自主規制規則を踏まえ、販売価格の妥当性をあらかじめ審査しているか。

また、トークンを発行した後も、金融庁からの監督があり、仮想通貨交換業者に対し、定期的に又は必要に応じて、 トークンの販売状況等の報告を求めるとしています。