IT法務・AI・暗号資産ブロックチェーンNFT・web3の法律に詳しい弁護士|中野秀俊
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ファントークンの法律的問題を弁護士が解説【2022年10月加筆】

仮想通貨・デジタル通貨に関する法律

ファントークンとは

スポーツ・エンタメの領域において、NFT(Non Fungible Token)が注目を集めています。

NFT(Non-Fungible Token)の法律的注意点を弁護士が解説

最近では、ファントークンという資金調達方法が注目されています。

ファントークンとは、トークンの一種でブロックチェーン技術を用いられています。トークンというと、取引所に上場すると価値が上がるから購入する…というのが多いですが、ファントークンの場合は違います。

ファントークンでは、クラブ等が設定する特別な特典を手にすることができます。ファンクラブとは異なり、ファントークンそれ自体が転売も可能であり、その転売市場に置いて金額が変わる、当該転売の際に転売価格の一定の割合が発行者であるクラブ等に還元される仕組みが用意されています。

ファントークンの法律

ファントークは、ファンクラブの運営に一部関与できる投票権であることや、ファントークンが売買される市場が存在するなど、株式に近い性質があります。そうなると、金融商品取引法の適用があるのかが問題になります。

ファントークンに「利益の分配」がある場合には、当該ファントークンが金融商品取引法の規制対象となる「有価証券」に該当する可能性があります。

また、ファントークンが暗号資産(仮想通貨)取引所に上場している、誰でも売買できるようになると、「暗号資産」(仮想通貨)に該当し、資金決済法で規制されます。

ファントークンに利益分配がある場合、ファントークン自体が自由に売買できるようになると法律的に規制が入る可能性があります。

将来的に規制される可能性も

ファントークンについては、将来的に金融規制の対象となる可能性についても注意が必要です。

金融庁が、ブロックチェーン技術等を用いた金融のデジタル化に関して、2021年7月19日に「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」の設置を公開しましたが、その別紙1に従前の規制対象ではない「コンテンツ・著作物」が含められています。

これは金融庁が、今後NFTなど金融規制の対象外との整理で行っているビジネスについても規制対象とする可能性を示していると考えられます。

ファントークンの発行や取引が法律の対象となる場合には、ファントークンに係る実務への影響は大きくなるものと予想されますので、今後の動向には注意する必要があります。