ビューアビリティとは、インターネット広告においては広告の視認可能性のことをいいます。
インターネット広告の課金方式として、広告の表示回数に比例して広告料が決定されるインプレッション型課金方式においては、広告が表示されれば 1カウントとして広告料が課金されることとなります。
この際に、該当の ウェブサイト上に表示はされてはいるが、ユーザーがかなりスクロールダウ ンしないと見られないようなページの下部にしか表示されていない場合や、 広告枠が非常に小さく人間は視認できないものである場合等にも広告料が課金されるということであれば、効果のないものに広告料を支払うという損害が発生します。
このような問題が、ビューアビリティの問題といわれています。ビューアビリティのある広告であるか否かは、一般に次のような要件を満たす広告であるか否かで判断されています。
①については、ユーザーが閲覧しているページの裏側のページ等で表示さ れているという状態を排除すべきという基準となり、④については、 bot による不正なインプレッションを排除すべきという基準になります。
「アドベリフィケーション推進協議会調査レポートVol. 3」の調査によれば、各広告配信方式のビューアビリティに関し「広告表示領域の50%が1秒 以上表示されたもの」の割合について、DSP27.85%、 アドネットワーク 48.71%、 PMP(プライベート・マーケット・プレイス)76.09%という調査結果となっています。
当該調査結果からは、相当な割合でビューアビリティがないにもかかわら ず課金が発生していることが推測され、広告主としてはビューアビリティの 問題は非常に大きな問題であることがわかります。ビューアビリティのない広告についてインプレッションに応じた広告料を 支払うことは避けたいところです。
広告主としては、広告代理店との契約、あるいはDSP事業者等広告仲介事 業者との間の契約において、契約条項を個別に交渉可能である場合には、 ビューアビリティに関連した手当条項を盛り込むことが検討されます。
具体的には、以下について規定を行うと良いでしょう。
インターネット広告において、広告主と広告仲介事業者との間の契約は、アカウント作成時に広告仲介事業者の用意した利用規約への同意という形で 締結されることや、特定の契約フォームへの契約が条件とされることがあります。
このような場合には、当該利用規約や契約フォームを個別に条項変更や修正を行うことは難しいことも想定されます。
そのように、契約条項での対策が難しい場合には、起用を検討する広告仲介事業者においてビューアビリティに対するどのような対策が行われていて、 広告についてビューアビリティがないと認定された場合の、報告・開示情報 の有無や程度、該当分の返金対応の有無や方式を確認し、合理的な対応がなされている広告仲介事業者を利用することが重要となります。
広告代理店を起用したインターネット広告出稿を行う場合には、広告代理店との契約の中で、上記のようなビューアビリティへの対策について規定す ると良いでしょう。