仮想通貨換金代行業者である「FORBES」が、東京国税局から2億円の所得隠しを指摘されていたと報道がありました。
仮想通貨換金 所得隠し…国税指摘 無登録業者2億円
報道によれば、会社は、収入の一部しか申告せず、会計帳簿もつけていなかったということです。当然、所得隠しは、違法行為ですが、この会社、仮想通貨換金代行業を金融庁に登録なく、行っていました。
このような仮想通貨換金代行については、金融庁の登録は必要ないのでしょうか?
仮想通貨ビジネスのうち、仮想通貨法における「仮想通貨交換業」に該当する場合には、金融庁の登録が必要になります。
「仮想通貨交換業」とは、法律上は、以下の行為を「業として行う」ときに、該当するとされています。
仮想通貨交換業に該当すると、金融庁への登録が必要となるのですが、登録については高いハードルがあります。
【2018年10月24日加筆】仮想通貨交換業登録申請の現状と審査の流れとは?迅速な回答が重要!
今回の仮想通貨換金代行が、この仮想通貨交換業に当たるのかが問題になるのです。
「FORBES」は、個人が相対取引で購入した仮想通貨をブローカー経由で受け取り、金融庁に登録する正規の交換業者で換金。
換金額の数%を手数料として得ていたというものです。
スキーム図は、仮想通貨換金 所得隠し…国税指摘 無登録業者2億円を参照
このような仮想通貨を換金することについては、仮想通貨交換業で規定されているもののうち、「取次ぎ」「代理」に該当する可能性があります。
「代理」とは、仮想通貨の売買・交換を本人に代わり行うことをいいます。
「取次ぎ」については、文言上は、どのような行為が規制されるのかが明らかになっていません。ですが、他の金融法をみてみると、事業者の紹介などのブローカー行為が該当します。
今回は、「FORBES」は、預かった仮想通貨を、正規の取引所で代わりに売買・交換をしています。これは、「代理」行為に該当する可能性があります。
また、間に入っているブローカーも「取次ぎ」に該当するとされる可能性があります。
報道によると、「FORBES」は、仮想通貨法の登録について、「個人間取引なので、無登録でも問題ない」と主張しているようです。しかし、上記のように、今回のスキームは、仮想通貨交換業に登録する可能性が高いです。
仮想通貨法については、新しい法律で、確立した判例もなく、解釈があいまいな部分があります。また、2019年には、仮想通貨に関する法律の法改正も予定されています。
徹底解説!2019年の仮想通貨(暗号資産)とICOの法律改正の4つのポイント
仮想通貨ビジネスを行うには、法律的な観点を十分検討して行うようにしましょう!