先日、国税庁から、ビットコインを使用したことにより生じた利益については、所得税の対象であり、その所得は、雑所得になるとの見解が示されました。
No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係
ビットコイン(仮想通貨)を使用することにより利益が生じる時期は、次のような時です。
暗号通貨同士の交換、例えば、BTCからETHに交換したときに、上記の「使用」に該当するかどうかは、不明確です。
個人的には、暗号通貨同士の交換は、まだ利益が確定していないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか(期待も込めて…)。
また、ビットコインなどの仮想通貨を複数回に分けて購入し、そのうちの一部を使用した場合には、利益の計算は、どのように行うのでしょうか。
株式等に準じるならば、以下のようになると思いますが、ここもまだ不明確なところです。
同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入している場合の取得費
仮想通貨の法人税法上の扱いについてです。この点、仮想通貨と法人税法の扱いについては、まだ公式見解はありません。
もっとも、企業会計基準委員会は平成28年12月2月付けで仮想通貨に係る会計基準について議論しており、次のような処理をすることが示唆されています。
消費税法が改正され、2017年7月1日から、仮想通貨の取引については、非課税となりました。詳しくは、以下のブログ記事にまとめてあります。
消費税法改正!ビットコインなどの仮想通貨の取引について消費税を非課税と決定!
消費税が非課税になるのは、法律上の「仮想通貨」の取引です。
※法律上の仮想通貨の定義については、以下のブログ記事で解説しています。
「仮想通貨」の定義とは?仮想通貨規制法案の概要をIT弁護士が解説!
よって、自社が扱っているものが、法律上の「仮想通貨」に該当するかは、法律に則り、慎重に判断する必要があります。
仮想通貨が相続税の課税対象となるかについては、公式な見解は出されていません。
ただ、法律上の「仮想通貨」は、その定義上も「財産的価値」があるとされているので「相続財産」に含まれるとされる可能性が高いのではないかと思います。
ここで問題になるのは、仮想通貨を保管しているウォレットについては、被相続人が設定したパスワード等によってロックされているので、被相続人が相続人に対して、パスワードを知らせなかった場合については、相続人は、そのウォレット内の仮想通貨を利用することができない可能性があります。このような場合の仮想通貨を相続税の課税対象とするかについては、問題が残ります。
また、仮に、仮想通貨が相続財産に含まれるとした場合、相続財産としての仮想通貨の評価額の問題があります。
原則としては、相続開始時の市場価格とすべきであると考えられますが、仮想通貨の価格の値動き、非常に大きいので、その具体的な取り扱いについては、評価基準などが定められるのではないかと思います。