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トークンの法律的分類は、どうなっているのか?【暗号資産(仮想通貨)・ポイント・有価証券】【2023年1月加筆】
トークンって法律上どうなっているの?
ブロックチェーン上で生成され取引されるトークンについては、その機能によって、法的な位置づけが異なります。
例えば、トークンのうち、あらかじめ入金した上でその金額の範囲内で加盟店に対してのみ使用でき、かつ、金銭への払戻しが原則として禁止されている場合、当該トークンは、原則として、ポイント(前払式支払手段)に分類されます。
一方、金銭への払戻しが可能なものは為替取引に分類され得る。また、株式や社債、ファンド持分などをトークンに表示した、いわゆるセキュリティトークンといわれるデジタルアセットも登場しており、これらは、その性質・機能に着目して有価証券として扱われる。
このように、トークンはその機能に応じて、①暗号資産(仮想通貨)②ポイント(前払式支払手段)③為替取引、④ポイント、⑤有価証券等に分類される。
以下、それぞれの定義および他の類型との相違点について解説します。
暗号資産(仮想通貨)
暗号資産(仮想通貨)とは、不特定の者との間で、現金や暗号資産(仮想通貨)とその他の相互に交換できるものです。
暗号資産(仮想通貨)と電子マネーの法律上の違いとは【弁護士が解説】
暗号資産の定義から除外されている「通貨建資産」とは、法定通貨をもって表示され、または法定通貨をもって債務の履行、払戻しその他これらに準ずるものが行われることとされている資産をいうとされています。
例えば、でんさいネット(全銀電子債権ネットワーク)で扱われる「でんさい」(電子記録債権法上の電子記録債権)は、円 建て資産であり、「通貨建資産」に該当し、暗号資産ではありません。
また、たとえブロックチェーン上のトークンであったとしても、法定通貨での払戻しが約束されている場合は「通貨建資産」に該当し、暗号資産には該当しない。
ポイント・電子マネー(前払式支払手段)
前払式支払手段とは、以下の全ての要件を満たすものをいう。
- 金額等の財産的価値が記載または記録されている こと(価値情報の保存)
- 金額または数量等に応ずる対価を得て発行される 証票等、番号、記号その他の符号であること(対価発行)
- 発行者または 発行者の指定する者に対する代価の弁済等に使用されること(権利行使)
暗号資産と前払式支払手段は、物品・役務提供の代価の支払に使用することができる点で共通します。
もっとも、暗号資産は「不特定の者」に対して使用することができるのに対し、前払式支払手段は発行者や加盟店等の特定の者に対してしか利用することができず、また、通貨建資産に該当することが通常である等の点で異ります。
また、ポイント・電子マネーには、金銭による払戻しができる場合は「為替取引に用いられるもの」に該当し、できない場合は前払式支払手段として用いられます。
有価証券
ブロックチェーン上で発行されるトークンに表示される権利が金商法の有価証券の定義に該当する場合、当該権利は当然に有価証券としての規制を受けます。
例えば、トークン保持者に、事業者の利益が分配されるようなトークンの場合には「有価証券」に該当するのです。
注意すべきは、改正金商法により、トークンに表示されている有価証券については、新たに導入された電子記録移転権利等の「電子記録移転有価 証券表示権利等」に該当し、従来の有価証券規制に加え、トークンに表示されることにより発生し得るリスクに対応するためのより厳しい規制が加えられてます。
なお、「暗号資産」の定義から電子記録移転権利が除外されていることから、電子記録移転権利に該当するデジタルアセットについて、同時に暗号資産には該当しません。