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著作権法の「引用」における出典明示の場所を解説 

著作権に関する法律

著作権法の「引用」の条件

著作権法にある例外規定の「引用」。「引用」の要件を満たすと、他人のコンテンツを許諾なく使うことができます。

「明瞭区分性」という要件があるのですが、「出典明示」をすることが必要です。この出典明示ですが、どこにどのようにするのが良いのでしょうか?

「出典明示」の場所

著作権法には、「出典明示」について詳細な規定はありません。

しかし結論からいうと、「引用」したコンテンツの直後に入れるべきです。

直後に入れると文章としてのつながりがわからなくなるなど、やむを得ない場合には、引用した部分を含む節や章の最後に示すことも考えられます。

いずれにしても、可能な限り直近となるようにすべきです。巻末にまとめて表示することは当然に合理的な方法とは認められないでしょう。

やむを得ず巻頭や巻末にまとめて記載する場合でも、いわゆる参考文献の表示は、出所明示にはあたりません。引用されたことが明らかにされておらず、引用された部分を明らかにできるものではないからです。

出典表示の方法について

どのような方法で、どの程度詳しく出所を明示するかについて、法律上はその複製または利用の態様に応じて、合理的と認められる方法および程度によることと規定されているだけです。

したがって、引用した著作物と引用範囲を特定できる程度かどうか、社会通念に基づき常識的に判断するしかありません。

まず、どこまで示すべきかという程度の問題ですが、著作物の保護を目的としている以上、その著作物を特定する題号(表題および副題)を示す必要があります。

また著作権法48条2項は、出所明示には原則として著作者名を示さなければならないと規定していますので、著作者名は原則として必須です。

これらのほかに、第○巻第○号といった巻数号数、改版されている場合には第何版か、公表された年、雑誌や論文集などの場合は掲載雑誌名や論文集名、さらに、出版社名や引用個所のページ数なども出所表示の要素と考えられます。

ウェブページの場合は、URLの表記は必須といえるでしょう。

これらを利用者側の表現物の性質が学術性の強いものであれば、後学の者が原文にあたれる程度に詳しく記載するといったことが要求されます。

講演の言葉などを「引用」する場合

何が合理的な表示かは、著作物の種類によっても異なります。言語の著作物であっても、講演など口述されたものであれば、講演場所や講演日時も示すべきでしょう。

写真や絵画を引用した場合には、写真や絵画のサイズ、種類、画材など写真や絵画を特定できる事項に加え、一部の引用であれば一部であることを、色彩のあるものを白黒で引用した場合には原典がカラーであることも示さなければなりません。