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改正特定商取引法が2017年中に施行!法律で注意すべきポイントとは?

法律時事ニュース

特定商取引法が改正!2017年中に施行

2016年5月25日に改正特定商取引法が成立し、同年6月3日に公布されました。

この改正法、公布の日から1年6カ月以内で 政令で定める日から施行されるとしています。そのため、2017年12月3日までには、施行されることになります。

今回の特定商取引法の改正ですが、どこが改正されたのでしょうか?

通信販売に関するFAX広告の制限

「FAX DMは、開封率が高いので~~~」というので、いまだに行なわれてるFAXによる広告。これまで、FAX DMについては、法規制はありませんでした。

しかし、今回の法改正で「通信販売の場合」に規制がされることになりました。

「通信販売」とは、広告を見た消費者が、電話やインターネット等で購入の申込みを行う取引方法をいいます。

以下の規制に違反して通信販売に関するFAX広告を送信した場合、行政庁から2年以内の「業務停止処分」を科されることがあります。

  • FAX広告をする場合は、送信先からの請求、承諾があった旨の記録を作成、保存
  • FAX広告をする場合は、送信先が、今後FAX広告の提供を受けない旨の意思表示をする手段についての表示

FAXによるDMにより、インターネット等に誘導し、商品・サービスの購入を行わさせるということはできなくなりますので、注意が必要です。

悪質な業者を排除

従来、悪質な販売行為を行っていた業者の中には、消費者庁から業務停止などの措置を受けた場合に、メンバーは変えずに、別の法人を起ち上げて、同じ事業を行っているところがありました。

そこで、このようなことを防止するため、業務停止を命ぜられた法人の取締役やこれと同等の支配力を有すると認められるもの等に対して、停止の範囲内の業務を新たに法人を設立して継続すること等を禁止するという規定が新設されました。

これに違反した場合には、個人は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金になります。

また、都合の悪いことを隠す、言わないなどの不実告知等に対する法人への罰金を300万円以下から1億円以下に引上げするなどしています。

消費者保護のための行政処分

消費者庁等の行政は、事業者に対して、処分をするというのが業務としています。

事業者と消費者とのトラブル(返金トラブル等)については、直接介入してくれるものではありませんでした。

今回の改正で、業務停止命令を受けた業者に対して、消費者利益を保護するために必要な措置を指示できることになりました。

例えば、消費者庁が、処分を受けた事業者に対して、返金を求める消費者への適切な対応(計画的な返 金の実施等)等を指示することができるようになったのです。

電話勧誘販売における過量販売規制

従来、どの商品をいくつ買うかは、売主と買主が自由に決めることができます。

しかし、対面ではなく、電話での勧誘の場合には、早く切ってほしいので、必要以上に多めに買ってしまうといったケースが多くありました。

そこで、電話で消費者に商品の購入を勧誘する形態(電話勧誘販売)において、消費者が日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品の売買契約等について、行政からの処分対象になります。また、そのような契約は、申込みの撤回又は解除を行うことができるようになります。

特定商取引法は、厳しい規制へ

以上のように、特定商取引法は、厳しい規制が課せられるようになります。
特定商取引法に該当する事業者は、注意するようにしましょう!