この記事の目次
個人が持つ住宅や自動車などを貸し借りする「シェアリングエコノミー」と呼ばれるサービスが、広がりをみせています。代表的なのが、「Airbnb(エアビーアンドビー)」や配車サービスの「Uber(ウーバー)」です。
そんな中、DeNAが、個人間で車をシェアするAnyca(エニカ)というサービスを開始しました。
このようなカーシェアリングに関する法規制には、どのようなものがあるのでしょうか?
日本では、道路運送法上、「自家用自動車有償貸渡事業」にあたるかが問題になります。
つまり、(1)自家用自動車を「業として」(2)「有償で」(3)「貸し渡す」ためには、国土交通大臣の許可を受けなければいけないのです。
このような事業の最たるものは、レンタカー事業者ですが、レンタカー事業者は、この「自家用自動車有償貸渡事業」の許可を受けているのです。
では、個人間で自分の車を貸し出すことも、「自家用自動車有償貸渡事業」に当たるのでしょうか?
問題は、上記「業として」にあたるのかということです。どこまでやると「業として」に当たるのかは明らかにされていませんが、
判例などでは、継続して一定の貸し出しを行っている場合には、「業として」にあたるとされています。
それでは、現在展開しているカーシェアリングサービスは、どうやって上記法律をクリアしているのでしょうか?
「自家用自動車有償貸渡事業」に当たると許可が必要になるのですが、例外として、車の所有者と借りる人が車を共同使用している場合には、上記許可はいらないとされています。
Anycaでは、車の所有者と借りる人の間で「共同使用契約」を締結するというスキームを採用し、上記許可は不要であるとしているのです。
Anycaでは、「共同使用契約」であることを明確にするため、利用規約に以下の定めを置いています。
このAnycaのスキームについては、法的に問題ないのかは議論の余地があります。
今年の1月には、国土交通省は「まだ合法とは言えない」との見方を崩しておらず、レンタカー業との違いがわかりにくく、調査を続けているという報道もなされました。
参考記事:DeNAのネット仲介カーシェア、合法?違法?国交省「?」
このように、新しいサービスには、既存の法律の壁が立ちはだかります。シェアリングサービスでいえば、上記「業として」の基準があいまいなところが問題といえます。
いずれにしても、新しいサービスを立ち上げる際には、既存の法律に抵触しないか、じっくりと検討することが必要なのです。
LINEの友達追加で、企業に必要な契約書雛形、