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スカラーシップ制度において注意すべき法律的規制

仮想通貨・デジタル通貨に関する法律

スカラーシップ制度とは

スカラーシップ制度とは、ゲームアイテムのオーナー(マネージャー)がゲームのプレイヤー(スカラー)に対してその保有するゲームアイテムを貸し出し、スカラーがゲームプレイで得た暗号資産をマネージャーとスカラーとの間で分け合う仕組みをいいます。

スカラーシップ契約とは、マネージャーとスカラーとの間のゲームアイテムの利用、暗号資産の分配等に関する契約をいいます。

契約上の法律問題

スカラーシップ契約の中で、マネージャーがスカラーに対してゲームアイテムを使用及び収益させるとともに、その使用料として一定の金額を支払い、契約終了後にゲームアイテムを返還することを約束するという形態があります。

マネージャーのスカラーに対するゲームアイテムの貸付けが貸金業法上の貸金業に該当するのでしょうか?該当する場合には、マネージャーは貸金業の登録を受ける必要があります。

この点、貸金業とは、「金銭の貸付又は金銭の貸付の媒介」で、ゲームアイテムは金銭に該当しないので、貸金業には該当しません。またゲームアイテムが暗号資産(仮想通貨)に該当する場合であっても、暗号資産は金銭ではないので、暗号資産の貸付けは、貸金業に該当しません。

暗号資産(仮想通貨)の貸付けは、法律的にOKなのかを弁護士が解説【2023年3月加筆】

また、例えばマネージャーがスカラーに対して、ブロックチェーンゲームの1ヵ月の最低プレイ時間を指定したり、日々のプレイ内容(デイリークエストの遂行やイベントへの参加等)を指示するなどして、ブロックチェーンゲーム上で特定の業務の履行を求める内容の場合はどうでしょうか?

この場合のスカラーシップ契約は、契約内容により法律上、請負契約、準委任契約、雇用契約のいずれかに分類されます。

例えば、スカラーに一定の成果(例:ブロックチェーンゲーム上でのイベントでの優勝等)が求められ、成果達成によって対価が発生することとなっている場合には請負契約になります。

スカラーに一定の作業が求められている場合には準委任契約となりますし、スカラーに時間的場所的な拘束(1日●時間、作業場所は、会社)がある場合には、スカラーは「労働者」と認定される可能性があります。

この場合は、労働基準法等の労働関連法令に基づき労働時間や賃金に関するルールの適用を受けることになります。

集団投資スキーム規制

スカラーシップ制度は、ゲームアイテムのマネージャーがスカラーに対してその保有するゲームアイテムを貸し出し、スカラーがゲームプレイで得た暗号資産をマネージャーとスカラーとの間で分け合う仕組みであることから、スカラーシップ契約に基づきマネージャーの有する権利が、金商法上の有価証券である集団投資スキーム規制に該当しないかが問題となります。

いわゆる集団投資スキーム持分とは、いわゆるファンド規制であり、金銭や暗号資産(仮想通貨)を出して、事業を行い、その収益を分配するようなスキームを言います。

スカラーシップ制度においては、マネージャーが与えるのは、金銭等ではなくゲームアイテムであるため、原則として、スカラーシップ契約に基づくマネージャーの権利は、集団投資スキーム持分には該当しません。

一方、マネージャーが出すのが暗号資産に該当する場合には、集団投資スキーム持分に該当する可能性があります。