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【最新】仮想通貨交換業申請で金融庁の組織再編による影響について(2018年7月)

仮想通貨・デジタル通貨に関する法律

7月の金融庁の組織再編で、仮想通貨交換業申請にも変化が

金融庁の組織再編が行われ、7月17日から、新たな体制が整えられました。

金融庁の組織再編について

それに伴い、仮想通貨交換業申請にも、影響が出ています。そこで、仮想通貨規制仮想通貨交換業申請の最新情報をお伝えします。

仮想通貨交換業の担当部署の変更

従来は、仮想通貨交換業の登録申請は「仮想通貨モニタリングチーム」が担当していました。

今回の組織再編で、金融庁 総合政策局 フィンテックモニタリング室 が担当することになりました。

従来から仮想通貨交換業申請しているところでは、担当者の変更が行われており、人員についても、入れ替えがあったようです。

仮想通貨交換業申請のステップ(2018年7月ver.)

また、仮想通貨交換業の申請方法にも、変更がありましたので、最新の申請方法について、解説します。

ステップ1:金融庁(財務局)の担当部署に電話

最初に、金融庁(財務局)に連絡することについては、従来と変更がありません

関東の事業者は、金融庁 総合政策局 フィンテックモニタリング室(TEL: 03-3506-6000)の登録審査担当まで、電話してください。

その時には、「仮想通貨交換業申請したい」旨を伝えてください。

ステップ2:申請書類、必要書類を全て作成

従来は、以下の項目を記載し、金融庁と面談という流れでした。

  • 会社概要
  • 仮想通貨スキーム
  • 取り扱う仮想通貨の説明文書

しかし、2018年7月からは、以下の全て記載し、それを提出した後に、面談という流れになりました。

  • 仮想通貨交換業の申請書類
  • 社内規則などの金融庁から要請されている必要書類

具体的には、以下のような書類を用意する必要があります。

仮想通貨交換業の登録申請用紙を全て記入

従来は、面談後で申請用紙の記入については、最初の段階で求められることになりました。

この書類には、以下のことを記載する必要があります。

  • 仮想通貨交換業に参入するに至った経緯(理由)
  • 仮想通貨交換業にかかる業務運営態勢
  • 犯罪収益移転防止法にかかる取引時確認及び疑わしい取引の届出を行うための態勢
  • 疑わしい取引の検出基準等
  • システム障害及びサイバーセキュリティ事案への対応
  • 内部管理体制

以上のように、この書類は、金融庁のガイドラインの全項目を簡潔に記載する必要があります。

金融庁ガイドラインに沿った166項目にも及ぶ審査内容のチェックリスト

これは、166項目にも及ぶチェックリストを記入する必要があります。従来と内容は、ほぼ一緒です。

このチェックリストは、登録申請の元となる資料ですので、非常に重要です。きちんと作成する必要があります。

社内規則の作成

金融庁としては、社内規則の作成を求められています。

社内規則の例としては、以下の通りです。その数は、20以上になります。その中で、一例ですが、以下のような社内規程を作成する必要があります。

  • 倫理規程、コンプライアンス・マニュアル
  • 取引時確認等の措置マニュアル
  • 疑わしい利用者や取引等の規則
  • 利用者保護措置規程
  • 反社会的勢力による被害の防止に関する社内規則
  • 分別管理に関する社内規則
  • 帳簿書類に関する社内規則
  • 利用者情報管理に関する社内規則
  • 苦情等への対処に関する社内規則
  • 金融ADR制度への対応に関する社内規則
  • システムリスク管理に関する社内規則
  • 外部委託に関する社内規則

仮想通貨の該当性・適切性説明を求める書面

自社で取り扱う予定の仮想通貨について、そもそも法律上の「仮想通貨」に当たるのか、そして、取り扱うことが適切なのかの見解を記載する必要があります。

ビットコインやイーサリアムなどのメジャーなコインであれば、問題ないですが、マイナーなコインを扱う予定の予定の事業者は、こちらを詳しく書く必要があります。

財産的基礎についての説明

3年間の収支見込みを記載する必要があります。

金融庁としては、収支見通しについて、競合者の参入、システムの陳腐化等、環境の悪化に伴う対応方策が確立しており、その場合でも一定の収益を見込めるような計画となっているかなど、細かい点をチェックされますので、気を付けて作成しましょう。

利用者財産の分別管理についての説明

仮想通貨交換業者は、利用者から預かる財産と自社の財産とを厳格に分けて、管理する必要があります。

よって、申請段階でも、事業者は、どのように分別管理をするかの書面を提出する必要があります

苦情処理措置及び紛争解決措置

利用者からの苦情がきた場合に、どのように解決するのかを記載する必要があります。

犯罪収益移転防止法における仮想通貨交換業者の義務

マネロン対策は、金融庁としても、非常に重要視しています。この資料には、企業のマネロン対策に必要な情報が盛り込まれています。

仮想通貨交換業を申請する企業としては、この資料を読み込んで、対策を練る必要があります。

ステップ3:金融庁or財務局担当者の方との面談

次に、仮想通貨モニタリングチームや各地方財務局との担当者の方と面談が行われます。

以前は、面談前に提出する書類が簡単なものだったので、初回面談は、ビジネスモデルの質問などの一般的なものでしたが、2018年7月からは、上記の通り、面談前に詳細な資料を提出しますので、面談も実際の登録審査に必要な事項が聞かれます

以下のような質問がされ、面談時間も以前より長い2時間ほど、みっちりと質問されます。

  1. 「内部管理」「内部監査」は、どこの部署・部門が行うのか
  2. 外部監査は、どうなっているのか
  3. 本人確認措置は、どこの部門が行うのか
  4. 分別管理の方法は?
  5. 反社チェックは、どのように行うのか
  6. 犯収法の取引時確認、疑わしい取引の方法は、どのようにして行うのか
  7. 紛争解決措置は、いかなる方法で行うのか

金融庁の事務ガイドラインなど、仮想通貨交換業登録で必要な要件を押さえていないと、回答できない内容ですので、きちんと対策をしましょう。

ステップ3 書面などのドラフト審査

面談が終わると、ステップ1で提出した書面について、事前に審査がされます。また、会社の内部体制などについて、金融庁側から質問のメールなどがきます。

流れとしては、ステップ1で提出した書面について、金融庁から追加質問リストが送付⇒それについて、回答をする。

さらに、金融庁から追加質問⇒それについて、回答をするといった形です。

金融庁からは、かなり細かい指摘が入り、その都度回答しないと、先に進めません。一刻も早い登録を目指すのであれば、迅速に処理していく必要があります。

ステップ4:本申請

上記のドラフト審査を通過して、初めて本申請になります。本審査では、ステップ3までに金融庁とやり取りしていた書面を、正式に金融庁に提出します。

そして、金融庁からは、登録の可否の結果が通知されます。

仮想通貨交換業の登録までの期間

仮想通貨交換業の登録までは、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。

これまで10社以上の仮想通貨交換業の申請サポートを行ったきた弊社の経験からいうと、ステップ1~ステップ3までの期間が、6~8か月程度ステップ4が、2~4か月程度といった形です。

全体の期間としては、8か月~12か月程度かかるイメージです。

ただし、2018年7月の金融庁の再編で、今まで停滞していた仮想通貨交換業の登録審査が動き出しており、人員も整ってきました。

そのため、今後は、登録審査のスピードも速くなる可能性はあります。

仮想通貨交換業の登録申請は、最新の情報をチェック

上記の通り、仮想通貨交換業の申請手続きは、従来とは変化しています。

仮想通貨交換業を目指す企業としては、常に最新の情報をチェックし、対応する必要があるのです。


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