この記事の目次
個人のスマホなのに、会社の業務連絡が「LINE」で次々やってくる…。
私物のスマートフォンであるにもかかわらず、会社の指示でLINEのグループに入らされ、時間を問わずに上司から連絡がやってくる…そんな悩みを持っている人が増えているそうです。
プライベートのLINEアカウントに業務連絡が送られてくる状態に法的な問題はないのでしょうか。「迷惑だから、やめてください」と会社にやめさせることはできるのでしょうか?
勤務時間内の利用ついては、私物のスマートフォンを使用させたとしても、基本的に違法とまではいえません。
私物の携帯電話への業務連絡が違法とはいえないことと同じで、プライベートなLINEアカウントに送信しても、違法とはならないのです。
今回の問題とは直接関係ないですが、企業側としては、管理が行き届かない私物のスマホでの連絡による情報流出のリスクは考慮しておく必要があります。
勤務時間外の場合は、労働時間としてカウントされるのかという疑問があると思います。
こ労働基準法上の労働時間とは、使用者(上司)の指揮命令下にある場合をいいます。
LINEで業務連絡が届くことにより気分的に拘束感が生じたとしても、基本的に自由に行動できる状況であれば、使用者の指揮監督下にあるとはいえず、労働時間にはカウントされないのです!
では勤務時間外に常時LINEのメッセージを受信できる状態にすることや、受信した場合に返事を送ることを義務づけた場合には、法定の労働時間規制が及ぶのでしょうか?
この場合には、受信送信の頻度・状況にもよるので、一概にはいえないのですが、あまりに頻繁に送信するようであれば、労働時間規制が及ぶことも考えられます。また、一定の手当の支払いを求めることが可能な場合もあるのです。
勤務時間外に業務連絡のために、電話をする場合も同じです。業務時間外に業務連絡の電話がかかってくる、それに応答を強制するような関係がある場合には、それは労働時間となります。残業代などの支払いが必要になります。
時間外にあまりにも頻繁にLINEに業務連絡が来る場合には、在宅勤務として労働時間規制などの対象になる可能性もあります。
また、過度の負担を強いて労働者の心身の健康を害した場合には、会社の安全配慮義務違反の問題が生じることもあるのです!
そのため企業としては、勤務時間外に従業員の私物のスマホへの連絡を頻繁にすることは、避けるべきです!
長時間労働で過労死した服飾雑貨メーカーの男性の遺族が起こした訴訟で2021年11月28日、東京地裁は会社側に約1,100万円の支払いを命じました。
この訴訟で裁判所は退勤後でもメール送信やファイル更新をしていたことは労働時間に該当するとしました。
勤務時間内の業務連絡は違法とならないものの、勤務時間外に頻繁な連絡がある場合は労働時間とみなされる可能性があり、さらには会社の安全配慮義務違反が問題となることもあります。
残業代の支払いが必要となるケースもあるため、企業は従業員に過度の負担をかけないように注意が必要です。
LINEの友達追加で、企業に必要な契約書雛形、労務書面のテンプレート、SES事業によくある質問と回答集などの10大特典をプレゼント!LINEから直接お問い合わせもできます。下記URLから、友達追加をお願いします!