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商品のトラブル・キャンセルがあった場合のプラットフォーム事業者の責任

IT企業のための法律

ユーザー同士のトラブル・プラットフォーム事業者はどこまで責任を負うか

商品が届かない・壊れていた等のトラブルが発生した場合や、 売買取引がキャンセルされた場合、プラットフォーム事業者としては、どのような責任を負うのでしょうか?

商品の未着・キャンセル等に関するプラットフォーム事業者の責任の有無

日々大量の取引が行われるオンラインショッピングモールにおいては、商品が届かない・壊れていた等のトラブルや売買取引のキャンセルは不可避的に発生する問題です。

このようなトラブル等に関して、プラットフォーム事業者がプラットフォーム上で自社独自の商品を販売しているような場合には、プラットフォーム事業者は、契約の当事者として利用者に対して契約責任を負うことになります。

しかし、多くの場合、プラットフォーム事業者は契約の場を提供するにとどまり、プラットフォーム事業者自身は契約の当事者とならず、規約上も「お客様が当社プラットフォー ム上で行うショップとの取引は、すべてお客様とショップとの間で直接に行われます。当社は、当社がショップに該当する場合を除き、取引の当事者とはならず、当該取引に関する責任は負いません。したがって、ショップとの取引に関して万一トラブルが生じた場合には、お客様とショップと の間で直接解決していただくことになります。」等と明記されていることが多い。

このような場合、商品の未着・滅失・キャンセル等に関して、プラットフォーム事業者は原則として利用者(主に消費者)に対して責任を負わないと考えられています。

プラットフォーム事業者が責任を負う場合

プラットフォーム事業者が契約の当事者でないにもかかわらず責任を負う場合としては、モールの出店者によって出店ウェブページに展示された商品が第三者の商標権を侵害している場合には、つぎのような裁判例もあります。

  1. 出店者・出品者に対するプラットフォーム事業者の管理・支配が認められる
  2. プラットフォーム事業者が出店者・出品者から利益を得ている
  3. 出店者・出品者による商標権侵害があることをプラットフォーム事業者が知ったこと、または知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるに至った
  4. その後の合理的期間内に是正しなかったことを満たすときには、モール運営者が商標権侵害の責任を負う

権利侵害やそ の疑いが生じた場合には、速やかな対応を行う必要がある商品購入画面等モール運営者のウェブサイト画面で、売主が モール運営者であるとの誤解が生じうる場合、責任を負うとされています。

プラットフォーム事業者の対処法

上記で利用者間のトラブルを処理するため、プラットフォーム によっては独自のシステムを設けているものもあります。

たとえば、日本のオンラインショッピングモールの中には、その名称は様々ですが、商品の未着等のトラブルが生じた際に、一定額を限度にプ ラットフォーム事業者が消費者に対して金銭的給付を行う制度が用意されているものもあり、この場合、プラットフォーム事業者は、負担した金銭的給付分について出店者・出品者に補償請求することがあります。

その他、利用者間のトラブルを回避するために、一定期間の無条件の返品を認める等の制度も存在するが、消費者の満足を過度に徹底するあまり、出店者・出品者に対して不当な負担を与えるものとして独占禁止法上の優越的地位の 濫用に該当していないか、注意する必要があります。