音楽業界で有名なエイベックスが、JASRACに管理を委託していた約10万曲の楽曲管理を、系列会社である著作権管理会社「イーライセンス」に移すと発表しました。
著作権管理団体最大手のJASRACから離脱するというニュースは、音楽業界に衝撃が走りました!
JASRACって、聞いたことはあるけど、実際何をするところか分からないという方も多いですよね。
JASRACは、作詞者作曲者の代わりに、レコード会社や放送局、カラオケ店、飲食店などから楽曲の使用料を受け取り、分配する業務を行っています。
というビジネスモデルです。
これまでは、JASRACの独占状態でしたが、2001年からは新規参入も認められるようになりました。
しかし、ここで立ちはだかったのが、JASRACと放送局との「包括契約」です。
私たちが観るテレビでは、大量の音楽が流されています。しかし、テレビ局は、使用する楽曲ごとに、個別に著作権料を支払っているわけではありません。
テレビ局とJASRACは、著作権使用料として放送事業収入の1.5%をJASRACに支払うことで、JASRACの管理楽曲を「使い放題」できるという包括契約を結んでいるのです。
JASRACの管理楽曲は300万曲を超え、圧倒的な第1位です。「使い放題」である以上、他の業者を使おうとは思わないですよね。結果的に、作曲家や音楽出版社などの著作権者も、きちんと放送の使用料を徴収してくれるJASRACを選ぶことになります。
しかし、最高裁判所は、このようなJASRACの独占状態は、独占禁止法に違反すると判断しました。この最高裁の判断により、JASRACとしても、包括契約の見直しが迫られていました。
そんな中での、エイベックスのJASRACからの離脱。
エイベックスが新たに管理を委託する「イーライセンス」は、JASRACよりも管理手数料が低く設定されています。その分、作曲家などの権利者に多く分配されることになります。
今後、JASRACによる独占が崩れ、競争原理が働くことにより、著作権使用料を引き下げ、管理手数料を見なおしなど、様々な新サービスが生まれるようになる可能性もあります。
音楽著作権ビジネスの今後の動きに注目です!