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【解説】ジャパネットタカタとDMM事件にみる二重価格表示や課徴金制度とは

法律時事ニュース

「ジャパネットたかた」に二重価格表示で、措置命令

カタログなどでテレビやエアコンの値引き前の価格を不当に高く表示し、実際の販売価格がより安価に感じるように宣伝したのは景品表示法違反(有利誤認)に当たるとして、消費者庁は18日、通信販売大手のジャパネットたかた(長崎県佐世保市)に再発防止を求める措置命令を出しました。

ジャパネット、違法な価格表示 消費者庁が措置命令

ジャパネットたかたが、指摘されたのは、「二重価格表示」です。

二重価格表示とは、「定価5000円のところを、今だけ2000円」といった表記や通常価格5000円に赤線が引かれていて、特別価格2000円として安い金額が表記されていったものです。

今回、問題となったのは、通常価格と表示されていた金額が、販売期間が短かったたり、販売終了から相当期間経過していたというものです。

この二重価格表示については「通常価格」が、一度も販売したことのない価格は、間違いなくアウトです。

販売実績がある商品についても、「最近の相当期間内に販売実績のない価格」を、比較対照価格に表示する場合には、その価格がいつの時点で、どの程度の期間販売されていたものか正確に表示しない限り、景品表示法に違反するおそれがあります。

この「最近の相当期間に販売実績のない価格」に当たるかどうかは、以下の基準で判断するとされています(公正取引委員会 「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」 )。

  • セールス時から遡って過去8週間のうち、「通常価格」と表示されている金額で販売されていた期間が過半以上
  • 最後にもとの価格で販売されていた日から2週間以上経っていない

このように、「通常価格」として表示されている金額については、明確な基準があり、それを怠ると、法律違反になってしまうのです。

DMMに、消費者庁から課徴金命令

消費者庁は19日、販売する高画質(4K)液晶ディスプレーの映像が実際より滑らかに表示できるかのように宣伝したのは景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、ネット関連会社「DMM.com」(東京)に約1700万円の課徴金を納付するよう命じました。

DMMに課徴金納付命令 ディスプレーで優良誤認

この課徴金とは、どういったものなのでしょうか?

課徴金の対象行為

課徴金の対象となるのは「優良誤認表示」と「有利誤認表示」です。つまり、実際の商品やサービスよりも、「盛った」表現をした場合です。

このような違法行為に対して、行政が下す罰金のようなものが、課徴金制度です。

行政から指摘されたときに「一定の期間内に当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出がない場合には、当該表 示を優良誤認表示と推定して課徴金を賦課する」というルールが課されました。

事業者としては、行政から突っ込まれた場合に、しっかりとした根拠を提示する必要があります。

課徴金の金額とは

課徴金の金額は、どの程度になるのでしょうか。課徴金額の算定式は、以下の通りです。

金額:対象商品・サービスの売上額の3%の金額
対象期間:3年間を上限

課徴金を免れる場合

上記のような課徴金ですが、課徴金が「課されない」又は「減額される」場合があります。

課徴金が課されない場合

1)違反事業者が相当の注意を怠った者でないと認められるとき事業者としては、事前にしっかりとリーガルチェックをしたかが問題になりますので、注意が必要です。

2)課徴金額が、150万円未満となる場合は、課徴金を賦課しない。つまり、対象商品・サービスの売上が少なく、課徴金が少なくなる場合には、課徴金が課されないことになります。

課徴金が減額される場合

3)課徴金対象行為に該当する事実を報告した事業者に対しては、課徴金額を2分 の1に減額する。
これは、自ら申告した業者(自首した業者)を優遇することにより、自ら申告することを促そうとする措置です。

今回のDMMも、自己申告したことにより、課徴金の金額が半額になっています。

4)事業者が所定の手続に沿って返金措置を実施した場合は、課徴金を命じない又は減額する。
返金措置とは、対象商品・サービスを購入した消費者からの申出があった場合に、当該申出をした消費者の購入額に3%を乗じた額以上の金銭を交付する措置をいいます。

そして、返金措置の所定の手続きとは、以下の3点を遵守する必要があります。

  1. 実施予定返金措置計画の作成・認定
  2. 返金措置の実施:事業者は、実施予定返金措置計画に沿って返金措置を実施する。
  3. 消費者庁に報告

事業者は、景品表示法違反に注意が必要

今回は、ジャパネットたかた、DMMという大手企業で、消費者から行政処分が下されました。

景品表示法違反は、どの企業でも起こりうる問題です。企業としては、十分注意するようにしましょう。


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