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IT・ウェブ企業に特化した弁護士の誕生秘話vol.13

事業も、お金も失ったけど…それより辛かったことは…

前回…大学時代の全てをかけて打ち込んできた事業を畳むことになった中野青年。

IT・ウェブ企業に特化した弁護士の誕生秘話vol.12

今まで全ての時間と労力を事業に費やしてきました。その事業がなくなり、心に穴がポッカリ空いた中野青年。
しかも、当然ながら一文無しになりました。
ついこの間まで、高級フレンチに、高級キャバクラ、高級ブランドで散財してきたのが、夢のよう。
収入の道が途絶え、毎日の食べるものにも事欠く生活になってしまいました。

事業も、お金も失った中野青年…でも、一番辛かったのは、
人が離れていったこと。
中野青年の事業がうまくいっていたとき、色んな大人が寄ってきました。そして、口々に言うのです。
「その若さですごいですね!天才ですね〜。」
そうやって、周りの大人達は、僕を天才実業家と褒め称えました。
それは、女性も同じ。事業がうまくいき、お金が入ってくると、様々な女性が寄ってきました。そして、口々に言うのです。
「あなたのことを愛してる。どんなことがあっても、側にいるわ」
そんな人達が、中野青年の事業の失敗でどうなったか…
一人残らず、中野青年のもとから、去っていきました。
「一緒にビジネスやりましょう」と言っていた人達も、
「困ったことがあったら、協力するよ」と言っていた人達も
「あなたのことを愛してるわ」と言っていた人達も
自分のもとから、人が去って行く…そのことが中野青年にとって、一番辛かったのです。

事業を閉じる…って、どうやんの?

事業を畳むといっても…何をしていいか分からない…
法的な手続きが必要なんだと思ったので…とりあえずネットで調べて、弁護士会の法律相談に行きました。

そこで、法律相談に行き、事情を説明すると…破産の手続きが必要だと言われました…。
破産…なんですか、その人生オワタな響きは⁉︎
中野青年は、完全に人生がオワタと思いました。そして、次に中野青年が発した言葉は…
「僕は、刑務所に行くんでしょうか」
いや、だって、破産って、要は本来返さなくてはいけないお金を踏み倒すということ…
これって、お金を盗むのと変わらないじゃないか…当時の中野青年は、真剣に思っていました。

それに対して、相談に乗ってくれた弁護士さんは…笑い飛ばし、
「いや、刑務所も行かないし、人生も終わりませんよ」とのこと。
聞けば、破産をしても、刑務所に行くこともない。日常生活も、送れる…
そのことは、中野青年を安堵させました。

ヒルズを夢見た青年が行き着いた先は、裁判所のパイプ椅子

1人ぼっちになった中野青年…気晴らしに大学に行っても、
周りは就職も決まりキャンパスライフを満喫している…それに比べて、自分は…

中野青年は、ますます惨めな思いをすることになりました。

破産手続きで順調に進み、残すは債権者集会になりました。
ご経験がある方(こんな経験しない方がいいですけど(^^;;)は分かると思いますが、
破産手続きは、債権者集会という手続きがあります。

これは、債権者の前で、破産した人の残された財産などを説明する手続き。
東京は、破産する人が多いので、裁判所のパイプ椅子に待たされます。
そして、自分の順番が呼ばれます。

六本木ヒルズを夢見た青年が、行き着いた先が裁判所のパイプ椅子。
「なんで、こうなったのだろう…」中野青年には、悔やんでも悔やみきれない思いでいっぱいでした。

そして、自分の番が呼ばれ、債権者集会が始まりました。
この債権者集会‥10分くらいで終わります!
大学生活の全てをかけた事業が、10分で、片付ついていく‥

そして‥ついにHYパートーズは破産しました。法的にも、全てが終わりました。
そして、最後に決めなければいけないこと‥それは、苦楽をともにしてきたYくんと、今後どうするか?
話し合いをするべく、二人が選んだ場所は、2人の原点である「あの場所」だったのです。