IT法務・AI・暗号資産ブロックチェーンNFT・web3の法律に詳しい弁護士|中野秀俊
グローウィル国際法律事務所
03-6263-0447
10:00~18:00(月~金)

メタバースにおける法律問題~著作権との関係~

IT企業のための法律

メタバースに関わる著作権問題

メタバース事業を行う上で、重要になってくるのが著作権の問題です。

今回は、メタバース事業を行う上での著作権の問題について解説します。

アバターと著作権

メタバース空間の中では、参加者はアバターによって参加することになります。

この際、アバターやキャラクターが著作権侵害にならないように配慮する必要があります。

例えば、ユーザーが有名なアニメのキャラクターのアバターが選択できるようになっているなどは、そのキャラクターの著作権を侵害します。この場合には、著作権者の許諾が必要となります。

またユーザーが自らデザインしたアバターを作成し、それが著作権違反をしている場合もあります。その場合には、そのユーザの利用停止などの措置を考える必要があります。

現実世界をメタバース上で再現する場合

メタバース上では、現実世界にある建物などを再現することがあると思います。

このような現実世界の建物などを利用することは著作権法に違反しないのでしょうか?

著作権法46条は、以下のように規定しています。

著作権法第46条(公開の美術の著作物等の利用)

美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。

一 彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合

二 建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合

三 前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合

四 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合

主に問題となるのは、四号です。メタバース空間に参加するために、参加料を取るという場合には、四号に該当する可能性があります。

そういう場合には、権利者の許諾が必要となるということになります。

また、建物にアレンジが加えられている場合には、著作者が有する同一性保持権を侵害するリスクがあるので注意が必要です。

また看板にある企業ロゴについても、著作権及び商標登録されている場合には、商標権で保護されている場合があるので、それを再現する場合には注意が必要です。

現実にあるモノを再現する場合

メタバース内で、現実に存在する商品等を再現したコンテンツを利用する場合にも注意が必要です。まず現実世界の看板、映像、彫刻などについては、原則として著作権者による許諾が必要です。

またロゴなどが商標登録されている場合には、そのコンテンツを勝手に再現すると、商標権侵害になりますし、商標登録されていなくても、不正競争防止法違反になり得ます。

もっとも商標権はあくまで、登録された指定商品・指定役務の範囲で効力が認められます。

メタバース上での利用は、「第9類」や「第42類」等、ソフトウェア・プログラムに関する区分に該当します。

よって、「第9類」や「第42類」で商標登録されていなければ、そのコンテンツをメタバースで再現することも問題ない可能性があります。

メタバース上での音楽活動

メタバース上であっても現実と同様に音楽活動をすることが可能です。現実世界同様、それがオリジナル作品であれば、著作権は原則としてその作品の作成者に帰属します。ただしメタバースの事業者が、利用規約において、メタバース事業者に帰属すると定めた場合には、メタバース事業者に著作権が帰属します。

では「歌ってみた」などについては、既存作品の著作権者の許諾が必要です。日本における音楽著作権は、JASRACやNEXTONEなどの管理団体が管理を行っていますので、管理団体から個別に許諾を得る方法が基本となります。

ただしメタバース事業者が、管理団体と包括利用許諾を締結した場合には、「歌ってみた」をメタバース上のすることができます。

(※JASRACが、包括利用許諾を締結しているサービス一覧https://www.jasrac.or.jp/news/20/ugc.html )