IT法務・AI・Fintechの法律に詳しい弁護士|中野秀俊のホームページです。 IT法務や仮想通貨(ICO)、AIなどのITビジネスを専門に扱う法律事務所です。
グローウィル国際法律事務所
10:00~18:00(月~金)

契約交渉段階におけるレター・オブ・インテント(LOI)は、法律的に拘束力はあるのか?

IT企業のための法律

レター・オブ・インテントとは

契約交渉の過程で、レター・オブ・インテント(Letter of Intent)という書面が作成されることがあります。

レター・オブ・インテントは、共同研究開発契約の締結前に、両当事者が共同研究開発契約の締結に向けて交渉する意図があること、両当事者間で共同研究開発契約の基本的事項について暫定的に合意に至ったことなどを書面化するものです。

特に外国企業との契約交渉においてよく用いられます。

レター・オブ・インテントの目的や内容、形式

レター・オブ・インテントが作成される場面としては、以下が挙げられます。

  1. 当事者間において共同研究開発契約の締結に向けた交渉を開始する段階で、両当事者が交渉を誠実に進める意図があることを表明するために締結される場合
  2. ある程度交渉を進め、契約の方向性がある程度定まった段階で、中間的な合意内容を確認するために締結される場合

たとえば、上記(1)の目的でレター・オブ・インテントを作成する場合には、以下の点が重要です、

  • 契約の締結に向けて誠実に交渉を行う
  • 契約において規定されるべき基本的な条項の内容
  • 契約の交渉を独占的に行う

レター・オブ・インテントの法的拘束力

レター・オブ・インテントは、契約の締結に向けた交渉段階で作成される書面であり、その記載内容が両当事者を法的に拘束しないことを意図して作成されることが多いです。

レター・オブ・インテントに法的拘束力を持たせたくない場合には、レター・オブ・インテント中にその旨を明記することが必要です。

レター・オブ・インテントが法的拘束力を持たない場合、最終的に契約の合意に至らなかったとしても、当事者は相手方に対し、レター・オブ・インテント記載の内容について、法的責任を負うわけではありません。

ただ、法的拘束力を持たないレター・オブ・インテントであっても、レター・オブ・インテントに記載された内容が以後の交渉方針、交渉内容等を事実上拘束することになります。

いったんレター・オブ・インテントにおいて確認された内容を、全く異なるものに変更することは難しいのが実情です。

レター・オブ・インテントに法的拘束力を持たせたい場合もあります。

  • 契約の交渉を独占的に行う
  • 交渉内容については守秘すべき

上記のような項目をレター・オブ・インテント中に記載する場合には、当該事項については両当事者を法的に拘束することを意図しているのが通常であると思われます。

レター・オブ・インテント全体またはその一部の内容に法的拘束力を持たせる場合は、レター・オブ・インテント中にその旨を明記すべきです。

レター・オブ・インテント後に契約が締結されなかった

レター・オブ・インテントが交わされた後に、結果として契約が成立しなかった場合、すでに開発などをしていた場合にはどうなるのでしょうか?

開発をしていて、費用をかけていた場合、開発側はその費用を請求できるのでしょうか?

契約前提で契約交渉をしていて、直前になって契約をしなかった場合には、それまでにかかった費用は請求できるとする裁判例があります。

しかし、この場合も、かかった費用全額の請求は難しいです。

なので、レター・オブ・インテントを交わす段階で、多額の費用負担が想定される場合などは、法的拘束力のあるレター・オブ・インテントにおいて、契約締結前の段階の各当事者の活動に関する役割分担や費用負担等を定めておくということが必要になります。