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ライブ配信の写り込みはOKなの?改正著作権との関係を解説

著作権に関する法律

写り込みの法律

インターネットにおけるライブ配信 の場合は、ライブ配信に写り込んだ著作物について許諾のない利用は可能なのでしょうか?

旧著作権法においても、写真撮影・録音・録画を行う際の著作物の写り込みについて、一定の要件のもと許諾なく複製、翻案、利用することが認められていました。

旧著作権法の条文上(同法30条の2″)、その方法については写真撮影・録音・録画のみが挙げられていたところですが、近時のデジタル化の進展に応じた新たな方式の発生等への対応として、インターネットのライブ配信、CG化、スクリーンショット等の際の写り込みについても、一定の要件のもと許諾のない著作物の利用を認めるため、対象範囲の拡大を行う著作権法の改正(「著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律」令和2年6月5日成立)がなされました。

この写り込みに係る権利制限規定の対象範囲の拡大(改正著作権法30条の2)については、2020年10月1日より施行されています。

拡大された対象範囲としては、ライブ配信、CG化(ゲーム制作の際の風景のCG化等が想定されます。)、スクリーンショットなどが想定されています。

著作物創作要件

旧著作権法においては、「著作物を創作するに当たつて」として適用場面を著作物の創作を行う場面に限定していましたが、改正著作権法において当該要件はなくなりました。

例えば、固定カメラでの撮影やスクリーンショットなど、創作性が認められない行為の際の写り込みも適用対象に含まれることとなりました。

軽微な構成部分

付随対象著作物としての利用が認められるには、それが「軽微な構成部分」であることが必要とされています。

これについては、当該著作物の占める割合、当該著作物の再製の精度その他の要素に照らし個別具体的な判断となります。

正当な範囲内

旧著作権法においては、「分離することが困難であるため」として適用範囲を中心となる被写体から分離困難な著作物の写り込みだけに対象を限定していましたが、改正著作権法において当該要件の記述はなくなり、メインの被写体に付随する著作物であれば、分離困難性にかかわらず適用対象に含まれることとなりました。

ただし、分離困難性の点は、正当な範囲内での利用の要件を判断する1つの要素に取り込まれ、付随対象著作物の利用により利益を得る目的の有無、分離の困難性の程度、作成伝達物において付随対象著作物が果たす役割その他の要素に照らし正当な範囲内での利用との要件が課されています。

著作権者の利益の不当な侵害でないこと

なお、前記各要件を満たした場合においても、同条項ただし書により付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製又は翻案の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合はこの限りでないとされます。

この点については、「著作権者の著作物の利用市場と衝突するか、あるいは将来における著作物の潜在的販路を阻害するか」という観点等から判断されるとされます。