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ライセンス契約で規定するべき3つのポイント【解説】【2021年12月加筆】
ライセンス契約は、紛争も生じやすい
企業間で、メジャーな契約として、ライセンス契約があります。
このライセンス契約については、取引も多い分、紛争も生じやすい分野です。
そこで、今回は、ライセンス取引について、紛争の生じやすい場面をピックアップして、そのポイントを紹介します。
(1)対価の設定をどうするか
ライセンス取引において、対価の設定をどうするかは、重要なポイントです。
通常は、ライセンス数×単価によって決定するのですが、ライセンス数を決定方法に問題があります。
従前は、ソフトウェアを動かすサーバに搭載されているCPUソケット単位で対価が決まっており、ユーザは調達するサーバに搭載されるCPUソケット数に必要なライセンスを購入しました。
最近では、「プロセッサライセンス(CPUライセンス)」単位でのライセンスが多くなっています。
プロセッサライセンスは、サーバに搭載されているマイクロプロセッサの数に応じて、ライセンスの対価が決定されるというものです。
さらに、マルチコアプロセッサも普及していることから、コンピュータ内のプロセッサコアの数に応じて課金する方式が採用されることも多くなっています。
ライセンス数の基準は、対価にも直結するので、どのような決定するかは、明確に規定しておく必要があります。
(2)クライアント数の基準をどう定めるのか
ソフトウェアライセンス取引において、クライアントとサーバが分かれているような製品も多いです。
上記の通り、ライセンス数の基準とは別に、クライアントがサーバに接続して当該商品を利用する権利を別途定める必要があります。
この場合、当該商品を利用したいクライアント数だけライセンスを購入する形式にするのか、それとも、クライアント数は1とするのかは、事業者で決定する必要があります。
このあたりは、契約した後に、変更することはできません。
対価に関わる重要な部分ですので、事前に設計するようにしましょう。
(3)違約金条項
ライセンス違反が発見された場合に、それまでのライセンス違反に対する損害賠償をどのように算定すべきかが問題があります。
ランセンス違反があったからといって、いくらの損害を被ったかの金額を立証するのは、難しい面があります。
例えば、実際の使用していたライセンス数、クライアント数に応じて、ライセンス料を損害賠償として請求することも考えられます。
しかし、これだと、ユーザ側としては、本来支払なければならない金額を支払うだけで、特にダメージを受けるわけではないので、ライセンス違反しても、バレなければ少ない金額ですし、バレても、本来支払うべき料金を払うだけになってしまいます。
そこで、違約金条項を定めることが考えられます。
例えば、
「ライセンス料違反があった場合には、金●●円の違約金を支払う」
などの条項が考えられます
ベンダ側としては、当然、違約金を高額にしたいところですが、ユーザー側としては、意識せずに、クライアント数などを重ねてしまう可能性もあります。
あまりに高額な違約金については、企業間といえども、公序良俗違反として無効になる可能性もあります。
どこまでの違約金条項を置くかは、ベンダ側、ユーザー側とも、慎重に決めるようにしましょう。
ランセンス契約の条項は、明確に規定する!
以上のように、ライセンス契約については、対価の設定などを明確に定義する必要あります。
ベンダ側、ユーザ側とも、認識の違いがないように、しっかりと規定するようにしましょう!