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レビュー(口コミ)機能をつけている事業者が法律で気を付けるべきこと【2022年9月加筆】

レビュー機能で法律的に気を付けるところは
レビューがユーザーにとって有用なのは、サービス提供事業者との特別な利害関係のない第三者によって提供された情報だからである。
しかし、 ユーザーがサービス提供事業者から一定のフィーを受け取って、来店の実態等がないにもかかわらず高評価の口コミ・レビューを投稿する場合があるとされており、2012年頃に「やらせレビュー」または「ステマ(ステル ス・マーケティング)」として社会問題化し大きく注目されました。
やらせレビューは、サービス提供事業者に対する評価をユーザーに誤信させる点で 問題になると同時に、その横行によりレビュー制度全体の信頼性を揺るが せる点でプラットフォームの価値を低下させます。
ユーザーが書き込みをした口コミやレビューは、原則としてサービス提供事業者による表示にあたらないため、景表法・不正競争防止法の問題となりません。
しかし、サービス提供事業者がユーザーに対し、景表法違反・ 不正競争防止法違反に該当する内容のやらせレビューをさせた場合、サー ビス提供事業者はそれらの法律に基づく責任を負います。
また、個々のやらせレビューが景表法違反とまではいえないとしても、サービス提供事業者に高評価を与えるやらせレビューを多数掲示させることが景表法違反になる可能性もあります。
さらに、特にやらせレビューがあった場合に、プラットフォーム事業者が当該レビューの存在を認識しつつ放置した場合、プラットフォーム事業者もほう助者として、損害賠償責任や差止請求の責任を負う可能性が出てきます。
したがって、プラットフォーム事業者もやらせレビューを放置することなく対策を講じることが必要である。
たとえば、食べログでは「口コミガイドライン」を定め、金品またはそれに相当するサービスを受けることを目的とした口コミの投稿を禁止し、発覚時には、当該口コミを即刻削除したうえで、「しかるべき処置」を行う場合があるとしている。
プラットフォーム事業者が法的責任を負わないとしても、やらせレビューが横行することはプラットフォーム事業者への社会的批判が生じる可能性があるため、ガイドラインの策定および実効性確保は重要です。
レビュー削除請求への対応方法
やらせレビューが基本的にはサービス提供事業者によい評価を与える方向のレビューである一方、レビューの中にはサービス提供事業者のサービスを批判するものも当然含まれます。
また、そもそもプラットフォーム上でレビューされることを好まないサービス提供事業者も存在します。
これらの場合、サービス提供事業者からプラットフォーム事業者に対してレビューの削除要請が行われることがあるが、プラットフォーム事業者としてどのような対応をすべきか検討する必要があります。
この点について、電子商取引等準則によれば、明らかに権利侵害を伴うような内容のレビューについては、それを認識しつつレビューを削除しないまま放置すれば、プラットフォーム事業者も責任を問われる可能性があります。
そのため、プラットフォーム事業者は、自分たちがレビューを投稿する場を提供したにすぎないとして、レビューを放置することは許されず、特に削除請求があった場合には、レビュー内容を チェックしレビューを削除する等の適切な対応をとる必要があります。
一方、 単にサービス提供事業者にとってネガティブな内容であることやサービス提供事業者がレビューを望んでいないことのみを理由としてレビューの削除を認めた裁判例は見当たりません。
そのため、サービス提供事業者の削除の要求に必ず対応しなければならないわけではないです。
もっとも、ネガティブな内容のレビューはサービス提供事業者とのトラブルの原因となりやすいため、プラットフォーム事業者も自主的なルールを定めておくことも考えられます。
実際、ガイドラインの中でサービス提供事業者に悪影響を及ぼすような内容のレビューは禁止する等の対応をとるプラットフォーム事業者は多数存在しています。