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個人情報保護法の違反で本当に怖いのは行政指導を公表されること

IT企業のための法律

今日のテーマですけれども、個人情報保護法違反!本当に怖いのは行政指導だ!というお話をしたいと思います。

個人情報保護法違反に違反するとどうなる?

個人情報保護法については以前にもご説明していますが、個人情報保護法違反になると個人情報保護委員会から勧告、命令、措置命令などが下されます。

個人情報保護法違反には刑事罰もありますが、実は刑事罰になることはあまりありません。

ここで「行政指導で済むのなら、まぁいいか」と考える方もいるかもしれませんが、実は本当に怖いのは刑事罰ではなく行政指導かもしれないというお話をしたいと思います。

行政処分が公表される

なぜ行政指導が怖いのかというと、勧告、命令、措置命令などの行政指導があったことは基本的に公表されます。

公表されるということは、つまり「この企業は個人情報保護法違反があったのでこういう処分をしました」とネットに載ってしまうわけです。

さらに行政のホームページはSEO的に上位にくるようになっているため、会社の情報をネットで調べた時にその記事が上位に表示されてしまいます。

現在、個人情報の取扱いについては大手企業も含めて非常にセンシティブになっています。ですので、公表されたことによって取引の際などに相手の企業から「この会社は個人情報の取り扱いは大丈夫なのか?」という疑念を持たれてしまうわけです。

弊所の取引先は基本的に中小企業やスタートアップ企業が多いのですが、大企業の方から「きちんと個人情報の取り扱いをしている証明を出してほしい」と言われることも多くなってきています。

そのくらい世の中はセンシティブになっているため、ネットに公表されてしまうとそれだけで会社の信用が下がってしまいます。

公表によって取引を中止されてしまったケースや今後の取引が難しくなるケースもあるため、本当に怖いのは行政指導によって公表されることなのではないかと思います。

直近では株式会社リクルートキャリア、Japan Taxi、LINE、メタップスインベストメントなどの大企業を含む多数の企業が実際に行政指導の公表をされています。

個人情報の保護については大企業、中小企業、スタートアップ問わず「きちんとできているのか、何をしなければいけないのか」を今一度、確認することが重要かと思います。