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「オンラインカジノ」で初の摘発!なぜ決済サービス業者に賭博罪が適用されたのか?【2023年7月加筆】

仮想通貨・デジタル通貨に関する法律

オンラインカジノの決済サービス業者が、賭博罪で逮捕

オンラインカジノでの国内口座サービスを運営していた会社の代表者らが、常習賭博罪で逮捕されました。

国内口座使い客に賭博か オンラインカジノ全国で初摘発 会社役員ら逮捕 千葉県警

このような無店舗型のオンラインカジノが摘発されるのは、全国でも初めてです。
この決済サービス業者は、ギャンブルができるソフトを客のパソコンにインストールさせ、賭け金を指定の口座に振り込ませ、勝敗に応じて現金を払い戻すサービスをしていました。

このような業者が、賭博罪で逮捕されたのには、どのような背景があるのでしょうか?

そもそもオンラインカジノって、違法なの?

そもそも、オンラインカジノって、合法なのか、違法なのかということですが、これについては、以前ブログ記事でも書きました。

参考ブログ:IT弁護士が語る!日本でオンラインカジノは合法か違法か?【オンラインカジノの法律】

かいつまんでいうと、

  1. 賭博罪は、日本国内において罪を犯した者に適用され、海外で賭博行為したものには適用されない。
  2. 賭博罪というのは、一人ではできない犯罪(胴元や仲間内など相手方がいて初めて成立する)
    相手方とセットで初めて違法とされる犯罪
  3. オンラインカジノの運営主体が海外にあれば、その運営主体には、日本の賭博罪は適用されない。
  4. 日本政府の見解は、「賭博開帳行為の一部が日本国内で行われた場合…賭博開帳図利罪が成立することがある」としていることから、海外の運営主体と共謀して、日本の事業者が、国内で関連サービスを作ったような場合には、日本の事業者は罪に問われる可能性がある

 

決済サービス業者は、オンラインカジノとは、一体としてサービスを行っていた?

今回、逮捕された代表者らは、「オンラインカジノの決済サービスを行っていたことは間違いないが、賭博はしていない」と容疑を否認しているとのこと。

それでも、今回、逮捕した背景には、海外でオンラインカジノを運営している事業者とこの決済サービス業者が、組織的に賭博行為を行っていたと警察が認定したことが挙げられます。

まさに、賭博開帳行為の一部が日本国内で行われた場合に該当するとして、今回の逮捕に踏み切ったのです。

決済サービスは、銀行法・資金決済法違反の可能性も

また、本件のような決済サービスは、銀行や資金移動業者(決済額が100万円以下)しかできません。
よって、今回のサービス業者は、銀行法及び資金決済法違反の可能性があります。