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オンラインゲームでの有料ガチャ規制についてIT弁護士が解説

IT企業のための法律

有料ガチャの法律的な規制とは

オンラインゲームにおいて必須のシステムである「ガチャ」「コンプリートガチャ」(コンプガチャ)については、景品表示法に抵触するとして、消費者庁から注意喚起が出されたのは、記憶に新しいところです。

オンラインゲームの「コンプガチャ」と景品表示法の景品規制について

それを受けて、一般社団法人日本オンラインゲーム協会(ガンホーやミクシィ、gumi、KLab、サイバードなどが加盟)は、ガチャに関するガイドラインを発表しています。

JOGAガイドライン

ガチャとめぐっては、事業者とユーザとの間で、問題になるケースが多々あります。そこで、今回は、有料ガチャをめぐる法律問題を解説します。

ガチャの法律的な規制とは

そもそも、ガチャとは、100円を入れてレバーを回してカプセルが出る「ガチャガチャ」に由来するもので、オンラインゲームで、課金し、アイテムを入手できるシステム全般をさします。

ガチャ規制は、主に以下の3つあります。

カード合わせの禁止

懸賞による景品類の提供に関する事項の制限第5項では、次のようになっています。

二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、してはならない。

つまり、2種類以上のアイテムで、特定の組合せを達成した際に、特別なアイテムを「景品として」提供することを全面的に禁止しています。

いわゆる「コンプガチャ規制」というのは、このことです。

「有料ガチャで、アイテムAとアイテムB、アイテムCを揃えると、アイテムZが手に入る」というようなものは、アウトということになります。

優良誤認表示の禁止

景品表示法では、実際のものよりも著しく優良であると示し、消費者を誤認させることを禁止しています。(第4条第1項第1号)。

有料ガチャでいえば、以下のような場合は、景品表示法上の優良誤認表示にあたる可能性が高いです。

  • 「Sレア以上確定!」と、あたかも「Sレア以上」のキャラクターが出るものと思わせているにも関わらず、「Sレアしか出ないガチャ」だった場合
  • 当初表示していたキャラクターの実際の能力と表記が違っていた場合

有利誤認表示の禁止

景品表示法では、価格その他の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認させることを禁止しています。

「当たりだらけのガチャ」とあるのに、実際は、ほとんど「当たり」がないような場合には、有利誤認表示と認定される可能性が高いです。

日本オンラインゲーム協会のガイドライン

日本オンラインゲーム協会では「ガチャ問題」を受けて、ガイドラインを発表しています(日本オンラインゲーム協会は公の団体ではないため、法律のような拘束力はありません。)。

しかし、オンラインゲーム業界では、有名な企業が入っていますし、仮に裁判等になった場合でも、一つの証拠として、このガイドラインが用いられる可能性もありますので、注目する必要があります。

ガチャに関する表示

オンラインゲーム事業者は、以下の事項について、ユーザーに分かりやすく表示することが求められています。

  1. 利用者が獲得できる全ての有料ガチャアイテム
  2. 有料のガチャレアアイテムを提供中の場合は、当該ガチャレアアイテム
  3. 数量限定又は期間限定で有料ガチャアイテムを提供している場合は、その提供数又は提供期間等
  4. キャンペーンにより販売中のガチャアイテムの提供割合を変更する場合、当該変更の条件と変更の度合い
    ※キャンペーン開始日の前日までに表示することを推奨。
  5. 特定の有料ガチャアイテムの提供割合を上げるときなどで比較対象表示を行う場合、比較対象となる有料ガチャの名前や販売期間等
  6. 重複して同一の有料ガチャアイテムを入手する可能性の有無及びその条件等
  7. 有料ガチャにおいて不具合が発生した場合には当該事実

ガチャの設定方法について

ガチャについては、ユーザーの射幸心をあおるもので、課金のしすぎが問題になっています。

そこで、事業者は、ガチャの設定方法について、以下の方法を守ることとしています。

(1)レアアイテムの金額設定と推定取得金額・提供割合の表示

いずれかのガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額の上限は、有料ガチャ1回あたりの課金額の 100 倍以内とし、当該上限を超える場合、ガチ ャページにその推定金額または倍率を表示する。

  • いずれかのガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額の上限は 50,000 円以内とし、当該上限を超える 場合、ガチャページにその推定金額を表示する
  • ガチャレアアイテムの提供割合の上限と下限を表示する
  • ガチャアイテムの種別毎に、その提供割合を表示する

(2)提供するガチャアイテムの価値

  • 有料ガチャ1回利用時に提供されるガチャアイテムの価値は、有料ガチャ1回の価額と同等またはそれ以上とする
  • 有料ガチャ 10 回利用時に提供されるガチャアイテムの提供割合の期待値上の価値は、有料ガチャ 10 回の 価額と同等またはそれ以上とする
  • 有料ガチャの利用金額の総計が 5,000 円の場合、有料ガチャから提供されるガチャアイテムの提供割合の 期待値上の価値は、5,000 円と同等またはそれ以上とする

有料ガチャの運用に関する事項

①提供割合変更時の事前告知

  • ガチャアイテムの提供割合は、事前の告知無くこれを変更しない。ただし、緊急を要する場合はこの限りではないが、変更の可能性が生じた時点から可及的速やかにその旨を告知するよう努めるものとする

②有料ガチャの運用責任者の設置

  • 運用責任者は、有料ガチャの提供の前に、当該有料ガチャにおけるガチャアイテムの提供割合を承認するもの とし、当該承認の事実を書面等により記録する仕組みを社内に構築するものとする
  • 運用責任者は、有料ガチャが設定された通り適切に稼働することを確認し、書面等により確認の結果等を記 録する仕組みを社内に構築するものとする

オンラインゲーム事業者は、ガチャ規制を守ろう

オンラインゲームにとって、ガチャは、課金の方法としては、外せない場合が多いと思います。

だからこそ、事業者は、法律に抵触しないことは当然として、ユーザーの射幸心をあおり過ぎないような設計するようにしましょう。


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