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動画配信プラットフォーム運営者が、法律上の責任を負う場合とは

IT企業のための法律

動画配信プラットフォーム運営における法律上の責任とは

動画配信プラットフォームでは、主にユーザーに動画を配信してもらうことになります。

ユーザーが投稿する動画に違法動画が含まれていた場合、実際に投稿を行うのはユーザーであっても、動画配信プラットフォーム運営者も法的責任を負う可能性があります。

動画が投稿された場合、投稿者ではない動画配信プラットフォーム運営者は、そのような動画を削除すべき義務を負うか、削除しなかった場合に法的責任を負うかということが問題になります。

この点について、掲示板に第三者の名誉を毀損する投稿がなされた場合における掲示板管理者の資任が問題となった裁判例では、被害者が掲示板管理者に対して投稿の削除を求めることができる旨判示しました。

また、この裁判例では、掲示板管理者が、被害者による削除要請により当該投稿の存在を具体的に認識していたにもかかわらず、投稿の削除措置を講じなかったことを理由に、掲示板管理者の不法行為責任(損害賠償責任)を肯定しました。

上記の例のように、動画配信プラットフォーム運営者についても、第三者の名誉を毀損する動画が投稿されていることを認識したにもかかわらず、削除等の措置を講じなかった場合は、被害者に対して不法行為質任を負う可能性があり、プライバシー権・肖像権等についても同様に考えられる可能性があります。

脅迫・犯罪予告・わいせつ動画が投稿された場合

動画配信プラットフォームにおいて、脅迫や犯罪を予告する内容の動画が投稿された場合であっても、動画配信プラットフォーム運営者が、直接それに関与していたような場合でなければ、ただちに何らかの資任を負うものではないと考えられます。

もっとも、それが、特定の第三者の権利を侵害する内容である場合には、名誉権等の侵害の場合と同樣、当該投稿の存在を具体的に認識しながら削除しなかったというような事情があれば、動画配信プラットフォーム運営者が第三者に対して法的責任を負う可能性があります。

また、公序良俗違反(暴力、わいせつ等)動画配信プラットフォーム上にわいせつな動画が多数投稿されている場台は、動画配信プラットフォーム運営者自身が、わいせつ物頒布等罪の幇助等の刑事黄任を問われる可能性がありえます。

また、動画配信プラットフォームにおいて暴力やわいせつ等、公序良俗に反する内容の動画が投稿された場合、動画配信プラットフォームのレピュテーション・信用性にかかわってくるので、注意が必要です。

著作権侵害動画の場合

動画配信プラットフォームに著作権を侵害する動画が投稿された場合に、投稿者ではない動画配信プラットフォーム運営者が、著作権侵害の責任を負うかどうかについて、これまでの裁判例等において、議論なされているところです。

この点に関して、判例を踏まえると、著作権等の第三者の権利を侵害する動画が投稿された場合、動画配信プラットフォーム運営者が権利侵害の主体としてその責任を負うかについては、以下の要素が関わってきます。

  1. 自己の運営するプラットフォーム上に第三者の権利を侵害するコンテンツが多数投稿されている実態があるか否か
  2. プラットフォーム運営者が、そのような違法なコンテンツが多数投稿されていることを認識しえたかどうか
  3. プラットフォーム運営者が、そのようなコンテンツを削除するなどの措置をとっていたか否か
  4. プラットフォーム運営者が経済的利益を得ているか否か

したがって、動画配信プラットフォーム運営者についても、自社の運営する動画配信プラットフォーム上に多数の違法動画が投稿されている英態があり、動画配信プラットフォーム運営者がそのような実態を認識しているにもかかわらず、遂法動画を削除するなどの措置がとられていないような場合には、動画配信プラットフォーム運営者自身が権利侵害の主体であると評価され、第三者に対する法的責任を負う可能性があります。